2018年08月03日

ミストスピリット 3 秘められた言葉 ブランドン・サンダースン

ミストスピリット 3 秘められた言葉 ブランドン・サンダースン (ハヤカワ文庫FT)

潜り込んでいる密偵は誰なのか、アティウムはここルサデルにあるのか、包囲している三軍の動きはどうなるのか・・・緊張の内に動き始める。セイズドの策略は上手くいくのか。合い乱れる敵と味方の中、文字通り「飛翔するヴィン」の姿が美しい。ストラフ、セト、コロスを率いるジャステス。それぞれの運命が運命に操られていく様が見え隠れする。そして、ヴィンとゼインの決着は・・・

「サンダースンの雪崩」という表現があるらしいが、まさに一気に持っていかれる最後の攻防が見ものだし、いくつかの謎が解ける。解けない謎や、深まる謎もありながら怒涛の第二部は激震の中、集結していった。そして最後の第三部へ!!
posted by 灯台守 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2018年08月02日

ミストスピリット 2 試されし王 ブランドン・サンダースン

ミストスピリット 2 試されし王 (ハヤカワ文庫FT) ブランドン・サンダースン

包囲戦の続く、帝都「ルサデル」。ストラフの軍勢に加え、セトの軍勢も加わりにらみ合いとなって、三竦みの状態。さらにコロスの軍勢が加わって混沌となってくる。ヴィンはゼインの言葉に揺らぐ・・・

2部2巻目になっても、状況はさらなる混乱へ突き進む。エレンドは王座を追われるわ、ヴィンはゼノンに振り回される。攻め側はアティウムを目指してルサデルを攻め落とそうとするが、内側では、何処にも無いことが解っている。アティウムの行方の謎、エレンドの王座追放、セトの策略、ゼインの暗躍・・・緊張と共に3巻へ!
posted by 灯台守 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2018年08月01日

ミストスピリット―霧のうつし身〈1〉遺されし力 ブランドン・サンダースン

ミストスピリット―霧のうつし身〈1〉遺されし力 (ハヤカワ文庫FT) ブランドン・サンダースン

三部作の第二部開幕!
優しい革命家は死に、その魂は若き王に継がれた。支配王は倒れ、新しい時代が始まったかに思えたが、帝都を去っていた貴族たちが帰ってくる。軍勢を引き連れて。

第一部の最後、支配王の言葉にモヤモヤした感情を残しつつ読み進む。帝都「ルサデル」はエレンドの父、ストラフの軍勢に包囲される事態になるし、「たもちびと」であるセイズドはケルシャーの兄、尋問官のマーシュを共にある記録を発見しルサデルへの帰還を急ぐことになるし、落ち着かないこと多数。ヴィンは霧の落とし子・ゼインと遭遇し、己の進むべき方向に迷いだす・・・。続きが気になって仕方がない2部1巻である。速攻で2巻へ。
posted by 灯台守 at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2018年07月16日

書架の探偵 ジーン ウルフ

書架の探偵 ジーン ウルフ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

人間の精神と肉体を完全にクローン化できる未来の話。図書館の書架に住まうE・A・スミスは、推理作家E・A・スミスの複生体(リクローン)である。生前のスミスの脳をスキャンし、作家の記憶や感情を備えた、図書館に収蔵されている『蔵書=蔵者』なのだ。そのスミスのもとを、コレット・コールドブルックと名乗る令嬢が訪れる。父に続いて兄を亡くした彼女は、死の直前、兄にスミスの著作『火星殺人事件』を手渡されたことから、この本が兄の死の鍵を握っていると考え、スミスを借りだしたのだった。本に込められた謎とは? スミスは推理作家としての知識と記憶を頼りに、事件の調査を始める・・・

設定で50%は勝利していると思ってしまう、SF作品。設定はSFだが、中身はミステリーになっている所が、素晴らしい。魅力的な混乱と不幸に襲われたヒロインと、才能に恵まれた探偵の登場という形式はミステリーの鉄板だが、それが書架に収められた作家でリクローンであるという設定が魅力を倍増させる。そして謎が謎を生む中、スミスの知人や元妻のリクローンも現れ、ストーリーを盛り上げる。これがまた、物語の魅力をさらに深めている。

この本は、著者の最新作との話だが、すでに80歳を超えているとのこと。なかなか素晴らしい。解説にあるように、作中の人物も懐かしい名前をリスペクトしている感もあって、二度おいしい本である。
posted by 灯台守 at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | SF

2018年07月11日

幼年期の終わり アーサー・C・クラーク

幼年期の終わり   アーサー・C・クラーク (光文社古典新訳文庫)

何年振りかの再読。今回は、名訳と言われる福島さんのハヤカワSFではなく、光文社版で読む。解説もたっぷりだし年譜もある。お買い得。

ある日、地球は巨大な宇宙船の来訪を受ける。未知の宇宙船は何事もなく、大都市の上空にとどまり人類との交渉役に国連の総長を選んだ。彼ら「オーバーロード」は何をするため、この地球に来たのか、何を人類に求めているか・・・

クラークの名作SF古典と言っても良いだろう。文学に課せられた永遠の課題の一つ、「人は何処から来て、何処に行くのか」の一つの提案系ではある。読むたびに感想は変化し、蠢いていく。若いというか、幼い読者だった自分から変化秘、歳と経験を踏まえた今では、若いときには感じなかった点で、クラークが主張する事柄が染み入るように解るようになった気がする。人類の行く末と考えるか、はたまた違う観点からとらえるか、全く違う感想が持ち得る。

同じ様な切り口の話はあるが、ここまで昇華された思想的・未来的結末の話は二度と出てこないだろう。結果的にクラークは読者に問いかけてくる。「人は何処から来て、何処に行くのか」と。
posted by 灯台守 at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | SF

2018年07月06日

ファイア・サイン 女性消防士・高柳蘭の奮闘 佐藤青南

ファイア・サイン 女性消防士・高柳蘭の奮闘 佐藤青南 宝島社文庫

横浜市消防局湊消防署に勤める任官2年目の女性消防士、高柳蘭を主人公に語る第二弾。
2ヵ月間で42件もの火災が発生している湊区管内。出火場所も集中し、火災原因も明らかになっていないことから、警察は事件性を疑う。
火災原因調査員の木場は、根拠の薄いことから「事件」との見方に慎重になる。そんな中、蘭の所属する浜方隊は、殉職者を出してしまう。

伊藤さんお得意の青春お仕事小説、消防士版第二弾。さすが、取材は徹底しているが、出荷原因は、ちょっと無理でないかい?という感覚はある。一件、二件はあるかもしてないが。
一方、物語のストーリーは手慣れたもので、うまく読者を翻弄する。読者にとって、登場人物が死亡するって考えられない。読み続けるのが辛くなる。おまけに主人公の過去に見事に重なってくるのだ。しかし、そこを乗り越えないと彼女の成長は無いことも事実。そこを上手い条件を構築し、見事に納得させてくれる。最後のシーンが宝物になるよなぁ。(10代なら確実。50代、還暦直前は・・・ノーコメント)

残念ながら、このシリーズは現状ここまで。白バイガールとともども、彼女たちの今を垣間見たい。
posted by 灯台守 at 16:16| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年07月03日

銀河帝国の崩壊 アーサー・C・クラーク

銀河帝国の崩壊 アーサー・C・クラーク 創元SF文庫

数億年後の世界に、人類は不老不死の体を得てはいたが、ダイアスパーと呼ばれる都市の外には興味を失い、出ていくこともなくなっていた。その都市の最後の少年であるアルビンは外の世界に興味を示し都市の外に出ようとする。そこには先人のメッセージがあった。

かの名作、「幼年期の終わり」と同年に書かれたSF。数億年先という設定と、遥かなる宇宙と文明を描く筆致は「さすがクラーク」の面目躍如といえる。人類を二つの集団として描き、はるかなる宇宙とあこがれと好奇心を描きつつ、畏怖も書き込む手腕は素晴らしい。本書は絶版。複雑な構成やトリッキーなストーリーも無くシンプルであるところが現代受けしないのだろうか。
posted by 灯台守 at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | SF