2017年02月01日

コーヒーが冷めないうちに 川口俊和

コーヒーが冷めないうちに 川口俊和 サンマーク出版
本屋大賞候補作、四冊目です。

ある都市伝説が語る喫茶店。その喫茶店ではある条件で過去に戻れるという。ただし、過去は変わらないし、動けば元に戻る。その店に来たことの無い人には会えない。そして特定の席に座る必要があるが、そこには必ず先客がいる・・・ その条件をクリアした四人の話。

設定の勝利と言える話だろう。過去に戻る設定が素晴らしい。しかも先客の扱いも上手い。ただ、4つのお話のうち1つは映画化されたお話のキモと同じだし、リサーチ不足の話もある。まあ、その分を差し引いても話としては上手いストーリーテラーとも言える。優しく読めるのでこの手の話を読み慣れていない方にはオススメ。
posted by 灯台守 at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年01月29日

i(アイ)  西加奈子

i(アイ)  西加奈子 ポプラ社
本屋大賞候補作シリーズ、三冊目になります。

「この世界にアイは存在しません」その一言は、アイが数学の授業で聞いた話。アイはシリア生まれでアメリカ人と日本人の夫婦の養子となった。もちろん彼女が養父母を選択したわけではない。裕福な両親の間で彼女は自分の幸せを後ろめたく感じる。「私は生かされている。死んでいった人達の犠牲の上で」 彼女はひたすら死者の数をノートに記録し数え始める。果たして自分は何のために生きるのか。

9.11テロ、東日本大震災をただの事件ととらえず、アイの目を通してその本質を語ってくる。シリアからの養子というだけで、センセーショナルな上にアメリカ人と日本人の両親というところも微妙だろう。

その上、親友のミナの存在が物語に大きな課題を投げかける。ジェンダーの問題や家という問題もある。不妊という問題も含めて課題が投げられている。幸せとはなにか、改めて考えさせられるが、果たしていろいろな問題が解決したかどうか、一読をお願いしたい。
posted by 灯台守 at 14:08| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年01月25日

暗幕のゲルニカ 原田マハ

暗幕のゲルニカ 原田マハ 新潮社
本屋大賞候補作、二作目。
2001年9月11日 ユーヨーク近代美術館MoMAのキュレーター 瑤子は、通勤で地下鉄の出口から地上に出た瞬間、驚愕した。そこにはニューヨークの高層ビルが崩壊する様が展開していた。そして、それは最愛の夫、イーサンとの別れの情景となる・・・ その日から、彼女はピカソのゲルニカをニューヨークへ「奪還」する戦いを始めることになった・・・

かの名作、「楽園のカンヴァス」で見たことのある人も登場する本作は、原田マハさんのキュレーター経験をフルに活かした作品だろう。第二次世界大戦前夜のパリから始まり、パリ解放直後のピカソとゲルニカ作成過程を写真撮影したアダの話、現代の瑤子の話を交互に語りつつお話はクライマックスへなだれ込む。

ピカソはゲルニカに何を描いたのか、その願いはなんだったのか、現実と虚構を巧みに混ぜつつ私達の前にゲルニカを描き出す物語に胸打たれた。この分野では原田マハさんの右に出るものはない。独壇場だろう。
posted by 灯台守 at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) |

ツバキ文具店 小川糸

ツバキ文具店 小川糸 幻冬舎
恒例、本屋大賞候補作10作の連続読書の季節です。最初の一冊は、発表前に読んでいたこの本。

雨宮鳩子は、海外放浪生活を経て鎌倉に帰ってきた。先代=祖母の営んでいた代筆屋を継ぐために。文具屋を表の仕事として営みつつ、代筆屋として様々な依頼を受ける。絶縁状、借金のお断り、亡くなった父親に変わっての恋文等々・・・ 鎌倉の街並みに過ぎゆく季節とともに鳩子=ポッポちゃんは代筆屋として歩み始める。

大きな事件は起こらない。淡々と代筆仕事を受けて仕上げるポッポちゃん。少しづつ広がっていく周辺の人達との交流が、暖かで優しい。厳しかった先代の思い出を思い出しつつ、間に合わなかった自分を少しだけ攻めるポッポちゃん。そんな想いは自分の中だけにとどめ、受けた仕事に戸惑いながら進めていく。

事件も大きな転換も無いが、不思議に心あらわれていく。そして不思議な読後感を与えてくれる。裏のバーバラ婦人、昭和な男爵、あわてものみたいなパンティー先生。そして終りごろに登場するQPちゃんが可愛い。

周辺の人々が織りなすなかで、彼女が素直に立っているのが見えるような気がする。素敵な街、鎌倉を舞台に心がすっと落ち着く優しい物語だった。
posted by 灯台守 at 20:29| Comment(1) | TrackBack(0) |

2017年01月15日

笑福亭たまABC独演会 2017年1月15日(日) ABCホール

たまさんの独演会。いやぁ、壮絶(^^;

演目は下記。

桂 二葉  三年二組の高田くん
桂 ひろば 狸の化寺
笑福亭たま 胎児
笑福亭たま 饅頭こわい
仲入り
柳家小ゑん 長い夜・改U
笑福亭たま ショートショート落語 からの
      鼓ヶ滝

たまさんの鼓ヶ滝、西行の描写が秀逸!!。もう、イメージが完全に別物として現れるところがスゴイ。配布された資料も抱腹絶倒かも。
posted by 灯台守 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年01月12日

年頭緊急落語会 in 繁昌亭 2017年1月11日

繁昌亭の福笑さん、松枝さんの落語会。なんか、1/7の福笑さん/たまさんの会の復習しているようだった。まあ、爆笑していたけど。

笑福亭飛梅 延陽泊
笑福亭福笑 去年もいろいろ
笑福亭松枝 莨の火
仲入り
笑福亭たま 夢八
笑福亭福笑 宿屋ばばあ

何と言っても、トリの「宿屋ばばあ」を聞きに行ったようなもの。やっぱり傑作。福笑さんの想定百歳のばあさんの表現が凄まじい!! 何度見ても良いです!!
posted by 灯台守 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語

2017年01月10日

笑福亭福笑、たま 一期一会新春寄席 IN 兵庫県立芸術文化センター 中ホール 2017年1月7日 14:00〜

新春の福笑さん、たまさんの師弟二人会。いや、初笑いにふさわしい寄席でした。
2017年1月7日土曜日の記録です。

笑福亭 生寿 延陽伯
笑福亭 たま バーテンダー
笑福亭 福笑 二人ぐせ
仲入り
笑福亭 たま あくびの稽古
笑福亭 福笑 葬儀屋さん

葬儀屋さんは初。たまさんのバーテンダーは何度聴いても傑作。福笑さんのまくらは放送禁止レベルで、TVでは放送できんなぁ。でも抱腹絶倒!!
posted by 灯台守 at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語