2012年01月22日

ポケネコにゃんころりん 影だけのねこの秘密 山本悦子

ポケネコにゃんころりん 影だけのねこの秘密 山本悦子 フォア文庫

ポケネコシリーズもはや8巻目、児童書のシリーズとしては長いほうになってきた。

ポケネコのにゃんころりんは、不思議な生き物。ペットショップの「ノエル」でもらったユウのペットだが、いろんなもの幸福も不幸も招くちぃっちゃなネコである。
ごぞんじユウとあかね、カズの三人はとあるきっかけで、夏休みにあかねのおばあちゃんと一緒に広島へ行く事になる。そんな彼らにクマ先生は「よく勉強してくるんだぞ」と声をかける。そんな三人に何が起こるのか?ポケネコのにゃんころりんは何を招くのか?

今回は、舞台は広島。そこで彼らはにゃんころりんが招いた「影のネコ」を見る。そして「影のネコ」の生い立ちを知ることになる。いままで若干コミカルでちょっとシリアスなお話だったにゃんころりんが今回取り上げたのは、「平和」と「核」の問題。児童向けの話としては、かなり重い題材。でも、この時期に取り上げることこそ意味がある。今後の日本を背負う小学生にこそ、正面きって立ち向かう課題でもあるだろう。

この題材を選択した、山本さんに拍手。
posted by 灯台守 at 20:32| Comment(8) | TrackBack(0) | 児童文学

2012年01月16日

ねこまるせんせいとせつぶん 押川理佐

ねこまるせんせいとせつぶん 押川理佐・作 渡辺有一・絵

ねこまるせんせいシリーズの最新作。今回も、ねこまるせんせいの活躍が読める。
鬼の面をかぶったねこまるせんせいは、さてどうなるか読んでのお楽しみ。

やっぱり幼年童話は、文章と絵が合体してのもの。本作も押川さんのナンセンスなねこまるせんせいと渡辺さんの絵がマッチして楽しいかぎり。

安心して読めるねこまるせんせいシリーズである。
欠点は、おはなしワンダーシリーズは世界文化社の本だが、一般売りでの入手は困難であることかもしれない。ハードカバー化を切に望む。
posted by 灯台守 at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童文学

2012年01月11日

ピアスの星 赤羽じゅんこ

ピアスの星 赤羽じゅんこ くもん出版
「ももたろう」の同人、赤羽じゅんこさんの作品。久方ぶりの高学年もの。

ハミは六年生。コンビニのバイト定員"ミントくん"にあこがれているが、将来の夢はわからない。幼な友達のサヤは、今は学校に出てきていない。ハミは学校からプリントを持ってサヤの家にいくが、サヤの気持ちは良くわからない。そんなとき、ハミとサヤは変わらない今から一歩踏み出すため、ハミは"ミントくん"に「声をかける」、サヤは「遠足に参加する」という約束をするが・・・

淡々と流れる日々は、大人も子供も変わらない。その中で、「夢をもて」と大人は言うが子供たちはそう簡単に夢を描けるわけではない。ハミは、多少世渡りが上手い小学生で、サヤは少々融通が利かない女の子というだけかもしれない。人には、その人だけにしか解らない悩みがあり、希望があり、夢もある。結局はその人オリジナルなものさしで計るしか、無いのだ。小学六年生のハミとサヤは、お互いにそのものさしを探していた時期だったに違いない。

不登校の話を読むたびに思うことは、「何故親や先生は、学校に行くことを絶対とおもうのか?」ということだ。その理由をキチンと説明した話は、見たことがない。突き詰めれば、「なぜ学校で勉強するのか?」ということだ。この「ピアスの星」には、その答えが書かれている気がする。たぶん、この本を必要とする女の子が、日本のどこかにいるに違いない。泣き濡れて眠る、その子の枕元においてきてあげたい気がする。

赤羽じゅんこさんは、決してスラスラ書き上げる作家のタイプではないと思う。デビュー作の「おとなりは魔女」もそうだったように、作者と主人公が、物語の中と書き手に分かれつつも、一心同体となって織り上げられる物語を編むタイプである。だからこそ、胸打つストーリーとなって輝く「ピアス」を見せてくれる。
posted by 灯台守 at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童文学

2011年12月14日

夢から醒めた夢―冒険配達ノート 赤川次郎

夢から醒めた夢―冒険配達ノート 赤川次郎・作 北見隆・画 角川書店
ピコタンは9歳の女の子。ある夜、夢の配達人に誘われ、幽霊に会いに行く。その子は何をしたいのか、ピコタンは、何をするのか? 赤川次郎のファンタジー童話。

ご存知の人は知っている、劇団四季ミュージカルの原作。北見隆のイラストがすばらしい。この原作があって、劇団四季のミュージカルができたと思うと、感無量ではある。劇中では、ピコタンはピコ、女の子の幽霊は、マコ。本名のフルネームもあるが、原作には出てこない。今、全国公演中。12/17には待望のDVD/BR-Dが発売される。まずは原作の紹介から。別途DVDのレビューも記載予定。
posted by 灯台守 at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童文学

2011年11月30日

白い人たち バーネット

白い人たち F・H・バーネット 文芸社

本作は、長年にわたり川端康成・訳の抄訳だけだったものを砂川宏一氏の熱意で完訳にこぎつけたものである。

英文の原作は下記URLにある。

http://www.gutenberg.org/ebooks/459

私は、佐藤さとるWEBと鬼ヶ島通信ふぁんさいと以外に、2000年前後は「バーネット夫人の部屋」というHPを開いていた。その当時に、本作を無理きり読んだ記憶がある。実に不思議な小説で、ある少女の不思議な能力について書かれている話である。

ネタバレになるので、この先は読んでみての話になると思うが、ちょっと異次元の体験をしたような感覚に襲われたことを思い出す。

生きるとはなにか、人生とはなにか、生きているこということはどういうことか再度見直すきっかけになる本でもある。なお、本書からは省かれているが、原作には冒頭に短いPoemがある。献辞は「ライオネルヘ」となっているが、ライオネルとは彼女の早逝した息子の名前であることを考えると、深いPoemであると思う。
posted by 灯台守 at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童文学