2018年10月14日

アトリックス・ウルフの呪文書 パトリシア・A・マキリップ

アトリックス・ウルフの呪文書 (創元推理文庫) パトリシア・A・マキリップ (著)

マキリップの未読本、一掃シリーズ。
マキリップ好きなので、結構確保しているが、なかなか読めず。
一気に読みたいが、さて。

とある戦いに魔術師が介入したが、思わぬ結果で翻弄されるというお話。読者には結果が、ほぼ見えていてどうやってそこにたどり着くかの物語になっている。マキリップの作品によく登場する「森の女王」が本作品にも登場するが、その描写は表現できないほど素晴らしい。魔法や魔法使い達の描写はもちろん、騒然とした台所の情景がなんとも言えない。ラストの意外性は無いが物語の美しさを堪能する本といえる。
posted by 灯台守 at 07:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2018年10月08日

とりつくしま  東直子

とりつくしま  東直子 (ちくま文庫)

とりつくしま係とは死後、この世に未練を残した方に、「なにかのモノに魂を宿らせる」という事をサポートしてくる役割。この本は、そのとりつくしま係に、サポートされ、死後に現世にモノとして帰ってきて残された人々を見て語る、短くて切なくて哀しくて、でも暖かなお話の連作。

ロージン
トリケラトプス
青いの
白檀
名前
ささやき
日記
マッサージ
くちびる
レンズ
番外篇 びわの樹の下の娘

読書会仲間から教えてもらった本。有難い。東直子さんは短歌の名手であるが、このような話も書かれているとはビックリ。才媛である。とりつくしま係とは死後、この世に未練を残した方に、「なにかのモノに魂を宿らせる」という事をサポートしてくる役割だそうで。そもそも、この発想が素晴らしい。そして憑りつくモノも、さまざまなら、動機もさまざま。そして、その想いも、なかなかである。短い中に凝縮した感情の奔流のようなものが感じられ、得難い一冊となった。
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2018年10月04日

魔術師ペンリック ロイス・マクマスター・ビジョルド

魔術師ペンリック (創元推理文庫)ロイス・マクマスター・ビジョルド (著), 鍛治 靖子 (翻訳)

五神教シリーズの最新刊。三本の中編。
・ペンリックと魔
・ペンリックと巫師
・ペンリックと狐

いつのまにかヒューゴー賞も受賞していたとは。今回の主人公は、ペンリックという名の若者。結構イケメンっぽい。いきなり取りついた「魔」との行動がお茶目で面白い。「チャリオンの影」とかの長編とは雰囲気が違って、別の世界を見せてくれる。ペンリックと「魔」のデズデモーナの掛け合いは、まるで夫婦漫才のようで引き込まれる。絶妙の3編。残りの未訳も邦訳されそうなので、期待して待とう。
posted by 灯台守 at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2018年08月25日

黄昏の岸 暁の天(そら)〈上・下〉―十二国記

黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
小野不由美

十数年ぶりの再読。泰麒のその後の話。李斎は景王陽子に会うため景へ駆け込む。いやぁ、やっぱりツライ話だ。再読しても思うことは変わらない。

泰麒の話は続く。しかし、よくもまあ、蓬莱生まれのメンバーだけ集まった話。この続きが、非常に楽しみともいえる展開で終了。ぜひ有終の美を飾ってほしい。
posted by 灯台守 at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2018年08月24日

図南の翼 十二国記 小野不由美

図南の翼 十二国記 (講談社X文庫)
小野不由美

十数年ぶりの再読。シリーズ中、ユニークな作品ともいえる。恭国の裕福な商家の娘である珠晶は十二歳にして蓬山へ昇山する。物語的に言えば、見え見えの展開で意外性もへったくれもないのだが、珠晶と同行する頑丘と利広のキャラクタ描写が秀逸であり、それだけで読者を魅了する筆力は称賛に値する。思えば、海客や山客が一切出てこない話であり、終始、十二国の世界観を堪能できる作品でもある。もし、このシリーズで一冊選択するなら本作を私は選ぶ。傑作ではないが、ファンタジーの作品要素をすべて含んでいる推薦本として押したい。
posted by 灯台守 at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー