2017年07月10日

荒神 宮部みゆき

荒神 宮部みゆき 朝日新聞出版
すでに文庫化されているらしい。(新潮文庫)

時は江戸時代初め。東北の山間にある隣り合うに二つの藩の境界あたり、ある村が壊滅的な状況となっていた。生き残りは少数で、その一人の少年・蓑吉は隣の藩の集落に助けられる。一方、香山藩の病みついた小姓・直弥は、藩の世継ぎの奇怪な病の状況に影響されしばらく身を隠すことになる。山に向かった彼は、想像すらしなかったモノに出会う。この元凶は何か。山神の使いか人の悪意か・・・

宮部さんの江戸時代ファンタジー。キャラクターの立て方は、さすが宮部さんで上手い。少年・蓑吉などは、好感が持てて、なかなか良いです。若干ステレオタイプの感じがしないでもないけど・・・
さて、肝心なストーリーは、名手だけあって破綻なくたたんでくれ、複線の回収もきっちり行ってくれる。ただ、面白いんだけど、全編を通じて重い空気感があるのはなぜか。宮部ファンタジーは手堅く、破綻もなく、エンターテイメントしてくれて、外れはないのだけれど、大当たりにはならない。不思議・・・

宮部さんファンにはお勧め。でも過剰な期待はするべからず・・・と記載しておこう。

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2017年07月08日

メアリと魔女の花

メアリと魔女の花 メアリー・スチュアート 角川文庫

夏休みを田舎で暮らすことになったメアリ。退屈な日々に飽きていたある日、黒ネコのティブと出会い、不思議な花“夜間飛行”を見つける。庭にあったほうきに、夜間飛行の花の汁がつくと、突然ほうきは空高く舞いあがり、魔女の学校へと連れていかれるが…。

原作は、かつてあかね書房から出ていたが、絶版。今回、米林監督の映画化で復刊。普通の展開で、普通のストーリーかもしれない。魔法学校の描写は印象的で魅力的な感じを強く受ける。ただ、ファンタジーの大原則である「主人公の成長」に関しては薄い印象しか残らない。

それに対して猫のティブは非常に印象的。たぶん、ティブだけで持っていく感じがするな。
posted by 灯台守 at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2017年02月11日

獣の奏者 再読

上橋菜穂子さんの獣の奏者を読書会用に再読中。このブログにも一度登場済。

http://l-h-keeper.sblo.jp/article/60351927.html
http://l-h-keeper.sblo.jp/article/60374883.html

前回が二度目の再読で、五年も前なんだと再認識した。3回めかかと思い出す。改めて読み返すと、新たな発見は多い。特に、この作品はエンディングが強烈過ぎて、全部持って行かれる感じである。しかし、つらいファンタジー。まあ、外伝があることが救いである。

ハードカバー5冊に及ぶ長い話だが、登場する人々が、なんて生き生きとしていることか。特に食事シーンや食べ物の記述は、ホントに楽しい。結果はわかっているけど、それを凌駕する物語の力を感じる。

ファンタジーは魔法の物語ではなく、人の物語であると再認識させてくれるお話だろう。
posted by 灯台守 at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2016年04月14日

ミストボーン―霧の落とし子〈3〉白き海の踊り手

ミストボーン―霧の落とし子〈3〉白き海の踊り手 ブランドン・サンダースン ハヤカワ文庫FT

いよいよ第一部完結。

七千人のスカー反乱軍は、大半が失われた。一度は潰えたかに見えたケルシャーらの計画だが、いまや帝都ルサデルの警備兵たちは街を離れ、相次ぐ暗殺事件によって貴族家間の緊張は高まった。帝都ルサデルの崩壊の準備は整いつつあるのだ。だが、十一番目の金属は本当に支配王を殺せるのか?ヴィンの貴族青年エレンドへの想いは?そしてケルシャーの本当の計画とは?すべての読者の心をふるわす衝撃と感動の完結篇。
(BOOK情報より)

ばたばたと伏線が回収されるが、なかなかのストーリテラーなので、物語の収束度は高い。意外なお話もあるが、何より合金術のバトルシーンはすさまじい。想像力を膨らませてイメージングしながら読み進む。これぞファンタジーの醍醐味だろう。また、支配王の正体も明かされるが、読み手によっては消化不良かもしれない。私は結構良いオチだと思ったけど、もう少し伏線が親切だったら・・・とは思った。

とは言え、心地良いエンディング。とりあえずは大団円。しかし、物語はそれでは終わらない。第二部へつづく。
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2016年04月12日

ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 ブランドン・サンダースン

ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 ブランドン・サンダースン ハヤカワ文庫FT

シリーズ2作め。いよいよ佳境へ。

“霧の落とし子”にして盗賊団を率いるケルシャー。彼の仲間に加わった少女ヴィンは、合金術の訓練を受けて、ルノー家の令嬢という偽の身分を装い貴族社会に入った。すべては“終の帝国”を転覆させるという計画の一端である。計画の壮大さや過去の経験からケルシャーを信じかねていたヴィンだが、彼の人柄にふれ少しずつ希望を感じはじめる。そんななか、彼女はルノー嬢として、読書家の風変わりな青年エレンドと出会うが。
「BOOK」データベースより引用

2作目も、合金術のアクションは冴える。この合金術のアクションを、想像できるかどうかが、このお話に没入できるかどうか、分かれ目だろう。貴族社会に溶け込むヴィンと、ケルシャーのお話がリズミカルに続く。ひそかに伏線も張られていて、目が離せない。また、彼女の教育係というか執事のセイズドも注目したい。徐々に佳境へ突入する物語は何処に行くのか、止まらない・・・
posted by 灯台守 at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー