2018年10月19日

銀しゃり 山本一力

銀しゃり 銀しゃり[文庫] (小学館文庫)

山本一力さんの描写するご飯は、美味しそう過ぎて堪らない。
「だいこん」もそうだが、本作も柿鮨の魅力に参ってしまう。ストーリーも予定調和的ではあるが、ひねりもあって楽しめる。ただ単なる努力とか周囲との連携とかにとどまらず、江戸の風を感じさせてくれる描きっぷりが心地よい。旗本の家来とはいえ、その内情の苦しさや、江戸・魚河岸の状況など「そうだったんだ!」という部分もあり飽きない語り口も健在でしょう。若干、書き切れていない登場人物の情報もあるが、それはそれで想像して補うことで処理。ドラマ化とかして欲しい作品。
posted by 灯台守 at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代物

2016年03月03日

幕末まらそん侍 土橋章宏

幕末まらそん侍 土橋章宏  ハルキ文庫
安政二年(1855年)、時はペリー来航で揺れる時代。安中(今の群馬県)の藩主・板倉勝明は、藩士の心身鍛錬を目的として安中城内より碓氷峠の熊野神社までの七里余り(約30キロ)の中山道を走らせた。その”安政の遠足”という日本初のマラソンといわれる事件を主題に語られる五編の話。

・遠足
・逢引き
・隠密
・賭け
・風車の槍
の五編を収録。「本おや」の読書会がブック交換会だった時に、交換した本。(Iさん、ありがとう!!)

いやぁ、面白かったですね。時代物を読まない人もすんなり読めそう。5つの話の共通点は「遠足」ということだが微妙に絡んでいる所もあり、伏線的な味もあって工夫もある。前作の「超高速参勤交代」も良かったがこちらも一読の価値あり。次作も期待したい。
posted by 灯台守 at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代物

2015年05月27日

シリーズ読了 十時半睡事件帖 白石一郎

犬を飼う武士 十時半睡事件帖 白石一郎 講談社文庫
シリーズ第四弾。
出世長屋 十時半睡事件帖 白石一郎 講談社文庫
シリーズ第五弾
おんな舟 十時半睡事件帖 白石一郎 講談社文庫
シリーズ第六弾
東海道をゆく 十時半睡事件帖 白石一郎 講談社文庫
シリーズ第七弾

この数日で読了。シリーズは途中で絶筆。かなり残念。
品切れなのは、相当残念ではある。

機会を見て、書き込み予定。

posted by 灯台守 at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代物

2015年05月24日

刀 十時半睡事件帖 白石一郎

刀 十時半睡事件帖 白石一郎 講談社文庫
シリーズ第三弾。

走る男
妖しい月
異母兄弟
楽しいおとこ

以上、六話収録。
一般の捕物帳とは一線を画す十時半睡シリーズ。謎は無いが難題がやってくる。本書の題名にもなっている「刀」は良い例だろう。人を殺めた息子を切腹させた奉行の望みは現代人からすると「普通」のことだが、当時の感情を考えると「仰天動地」なことだったのだろう。それよりもまして、半睡の予言と裁きっぷりは見事。

武家社会に仮託した現代社会への批判も汲み取れる稀有なシリーズだろう。
posted by 灯台守 at 19:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代物

2015年05月22日

観音妖女 十時半睡事件帖 白石一郎

観音妖女 十時半睡事件帖 白石一郎 講談社文庫
ご存知、十時半睡事件帖第二弾。
・老狂恋道行
・逃げる女
・奉行たちの宴
・観音妖女
・奇妙な仇討
・女たらし
・枕絵ざむらい
・お蔵番
以上、八編。やはり表題作の「観音妖女」は見事。辰之助の妻のお珠はちょっと頼りないような童女ではあるが、その文才は一つ抜け出た所があった。その才能の裏側にあったのは、盗癖だった。本人はまったく罪の意識もなく「欲しいから持って帰った」という。才能を愛するがゆえに、離縁を言い渡せないこの夫婦の行く末は・・・

この話以外にも、十時半睡の暖かな視点がなんとも言えない。話によっては落語の味わいもある。シリーズ完読しそうな予感。(笑)
posted by 灯台守 at 06:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代物