2018年04月01日

たゆたえども沈まず 原田マハ

たゆたえども沈まず 原田マハ 幻冬舎
今年度の本屋大賞 候補作 10作目

1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出すーー

といううたい文句の本。原田マサさんの絵画シリーズの三作目といえる。期待大で読み始めたが、なんかしっくりこなかった。そのまま最後までズルズルと続き終了。私自身がゴッホの絵があまり好きではないことが大きいのか、結末を知っているからなのか、(多分、双方の影響が・・・)

さすがに原田さんの筆の力は素晴らしく、読者を19世紀末のパリに連れて行ってくれる。ただ、読後感の寂しさはなんだろう。

さて、これにて10冊を読了。なかなか、大賞候補が難しい・・・
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2018年02月20日

星の子 今村夏子

星の子 今村夏子・著 朝日新聞出版
本屋大賞候補作、6冊目で芥川賞候補作で第39回 野間文芸新人賞受賞作。

主人公・林ちひろは中学3年生。生まれた直後、いわゆる病弱だった彼女をどうにかしようと両親は、さまざまな事を試す。その中で、父の職場の同僚から「水」もらう。その水は効果てきめんだったことから、両親は怪しい宗教にのめりこんでいく。一方、両親から距離をとる姉。流されるちひろは、徐々に違和感を感じるが・・・

いわゆる新興宗教を背景に描くお話だが、ありがちな陰惨で不気味な感じはまったくしない。両親の強制感もさほど感じられず異質な感じもあまりしない。ただ、ちひろの周囲にいる人々が見え隠れしつつ彼女を支えていることが解る。結局のところ、彼女は両親の元を旅立つような暗示はあるが、でも完全に見放すようなことはしないだろうとも思えるエンディングである。姉はどうなったか、叔父さんの意図はどこにあるのか、書かれていない部分はあるが、癒され感が半端ないことは確か。

好きな人は好きだろうと思える一冊
posted by 灯台守 at 05:58| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年02月04日

騙し絵の牙 塩田 武士

騙し絵の牙 塩田 武士 KADOKAWA

本屋大賞候補作、5冊目。昨年は「罪の声」で大いに話題になった塩田さんの作品。大泉洋さんとのコラボ作品らしい。

速水は大手出版社に勤める編集者であり雑誌「トリニティ」の編集長である。出版界の苦境は例外なく彼担当のトリニティの売り上げにも現れていた。早期の黒字化を図らなければ廃刊になるとの危機感がある。その中で、同じ社の文芸月刊誌が廃刊になった・・・。非情な出版業界で戦う者たちを追う一冊。

まさに大泉洋とのコラボ作品。活字を追うごとに脳内では大泉洋主演の映画的に描写されていく。この作品が当たれば、映画化の時に彼以外の主役はいないとおもうくらいはまっている。(当たり前か)ストーリーも面白い。出版界の裏を知っている人も、知らない人も楽しめること請け合いである。(実態はこれより・・・以下自粛)

さらに、エピローグ以降も楽しませてくれる。一冊で三度おいしい「騙し絵の牙」。その意味は最後まで読むとわかります。
posted by 灯台守 at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年02月02日

百貨の魔法 村山早紀

本屋大賞候補作、4冊目。

百貨の魔法 村山早紀 ポプラ社
昨年の候補作、「桜風堂書店ものがたり」と世界観を同じくするお話。

風早の街にある古いけれど街の人々に愛される百貨店といえば「星野百貨店」。その店を支える人々が語る百貨店とのお話。そこには伝説のように語られる金目銀目の白い子猫が・・・魔法のひとときに触れられる。

全五話。一話毎に人がいて百貨店とのかかわりの中、語られる心の内側がしみこむ。人生があって、そこにあたたかな百貨店があって、交錯する想いが転がっていく。でも、果てしなく優しい笑顔が見えてくるのは、やっぱり村山さんの作品らしい。

前作の世界と重なってさわやかで心温まる読後感があって、幸せに浸った。危機にある百貨店と、その行く手にある未来も、仕掛けの延長上にあるというサービスネタも盛り込んであってという一冊だった。

posted by 灯台守 at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年01月20日

本屋大賞 今年も候補作出揃う。

2018年度の本屋大賞の候補作が、1/18(木) 12時過ぎにWEB上にて発表されました。
なかなか良いラインナップ。しかし、二連連続の著者の方多し。

勤務先の最寄り駅そばに紀伊国屋があり、『屍人荘の殺人』を入手。その他も即時発注。今年は、すでに2冊読了していました。
すでにブログ記事があるもののみリンクしています。

作品名 著者 出版社
『AX アックス』伊坂幸太郎(著)KADOKAWA 入手済
『かがみの孤城』辻村深月(著)ポプラ社 読了
『キラキラ共和国』小川糸(著)幻冬舎 読了
『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人(著)実業之日本社 発注済
『屍人荘の殺人』今村昌弘(著)東京創元社 読了
『騙し絵の牙』塩田武士(著)KADOKAWA 発注済
『たゆたえども沈まず』原田マハ(著)幻冬舎 入手済
『盤上の向日葵』柚月裕子(著)中央公論新社 入手済
『百貨の魔法』村山早紀(著)ポプラ社 入手済
『星の子』今村夏子(著)朝日新聞出版 発注済
posted by 灯台守 at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) |