2018年06月28日

消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 佐藤青南

消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 佐藤青南  宝島社文庫

新米の消防士になった高柳蘭の奮闘記。彼女は新米の消防士で毎日が闘いの日々。ある日、自分の酸素ボンベの容量が半分以下に減っていることに気が付く。きっちり確認したハズだが、おかしい。同僚の誰かが、自分に嫌がらせを?と思う蘭であったが・・・

白バイガールが当たりだったので、勢いで購入。なかなか上手い。ラノベのノリに騙されそうだが、二重三重の仕掛けはなかなかのモノである。最後の盛り上げも見事だし、伏線もきっちり回収され、気持ちの良いエンディングは読書の醍醐味である。

なおおじさん世代にとって蘭・美紀とくれば・・・と期待してしまうが、ファンならこの二人で止めることに意味があるかもしれない。

消防士の日常を違和感なく描く、青春オシゴト小説の定番シリーズ!!
posted by 灯台守 at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年06月26日

フランケンシュタイン メアリー・シェリー

フランケンシュタイン メアリー・シェリー (光文社古典新訳文庫)

有名だけれども、あまり読まれない本の代表格というか。かの有名な「ディオダディ荘の怪奇談義」にて着想され執筆されたホラーSFという事になっている。SFというよりも、ファンタジックな設定に隠された人間の苦悩の話という方向が正しい。

フランケンシュタインは怪物の名前ではなく、怪物を創出した科学者の名前である。話の大枠を作る冒険家とフランケンシュタインの回想と、怪物の苦悩の独白で構成される話は、幸せにたどり着く登場人物はほとんどなく、苦悩のうちに消えていく。かの怪物でさえ、自らの運命に苦悩の声を上げ闇へ消えていく。

ひたすら絶望に苛まれる人という生き物の性が容赦なく語られる物語。わずか19歳という若き美少女が書いたという事も信じられないが、同じ時に「吸血鬼」のモチーフが登場したことも見逃せない。しかも、その時に集まった人々とその関係者も次々に亡くなっていく運命には、うすら寒いものを感じるのは気のせいだろうか。
posted by 灯台守 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年06月21日

白バイガール 佐藤青南

白バイガール 佐藤青南 実業之日本社文庫

箱根駅伝の先導をしたいという気持ちから、神奈川県警の白バイ隊員になった本田木乃美は、押しの弱い性格から取り締まりにも成果を出せない毎日。同僚の女性隊員・川崎潤とも気が合わない。そんな中、川崎潤が不可解なバイク暴走死亡事故を発生させてしまう。その背景には、思いがけない事件との接点が現れる・・・

青春オシゴト漫画を、本にしたらこういう感じになると思う。読みやすいがキャラクタは結構書き込まれている。あっという間に読み切ってしまうライト感覚は、若い世代に受け入れられるだろう。特にバイク好きには共感できる部分が多いと思う。

ところで表紙のバイクを駆る女性、川崎潤か本田木乃美か。すくなくてもぽっちゃり系ではないな。
posted by 灯台守 at 06:49| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年06月20日

銀二貫 高田郁

銀二貫 高田郁 幻冬舎時代小説文庫
ドラマにもなった時代小説。高田節が心地よく、ページをめくるペースも早い。

大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。

悪人がほとんど出てこない代わりに火事は畳み掛けるようにやってくる。
大阪ではなく大坂表記なんですね〜〜
銀二貫がどれほどの価値があるか徐々に理解して行って最後の締めも二重三重に重ねるエピソードが素晴らしい。キャラクターにも工夫があって、全面に出て来る主人の和助や善治郎も良いが、脇の梅吉も最後に美味しい所を持って行く。泣かせる時代小説ここに有りという感じです。
posted by 灯台守 at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) |

2018年04月18日

月の影 影の海〈上・下〉十二国記 小野不由美

月の影 影の海〈上・下〉十二国記 小野不由美
久方ぶりに再読。出版元は講談社・ホワイトハート文庫から講談社文庫、その後新潮文庫へ。
版元は変わりつつも、イラストは山田章博さんが書き続けているのは有難い。

「月の影 影の海」は、十二国記の「十二国記が舞台の」最初の一冊。

中島陽子は普通の高校生。ある時、不思議な男が現れ彼女に言う。「お迎えに上がりました。」と。ケイキと名乗る彼が操る妖魔に乗り彼女は異界へ飛ぶが、別の妖魔に襲われる。かろうじて逃れた彼女は、見知らぬ世界をさまようことになる。彼女は何者なのか、元の世界に帰れるのか。

壮絶なストーリー展開である。上巻は、ほぼ逃走劇に終始する。妖魔に襲われ、食べ物もなく、巡り合う人にも騙される。リアルである。飢えた彼女の描写も、なかなか真に迫っている。だからこそ、後半のリアルさが増してくる。

今週末、読書会である。十二国記を愛する方々がどのようなとらえ方をしているのか、楽しみである。
posted by 灯台守 at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) |