2017年12月03日

雨の日も神様と相撲を 城平京

雨の日も神様と相撲を 城平京 講談社タイガ

ミステリー作家で漫画原作で活躍している城平京さんのラノベです。相撲とミステリがファンタジー的に合体した稀有な作品。

主人公は、逢沢文季(あいざわ・ふみき) 中学3年生の“相撲少年”。父は190センチに達する仁王のような男で、大学まで相撲をやっていたが腰を痛めて力士の道をあきらめる。母は小柄だが、その父を凌駕する相撲知識と理論の持ち主。二人は相撲が縁で結ばれ両国で暮らし、文季が生まれた。しかし、彼が中学3年になる春休みに二人とも亡くなってしまう。
親族のほとんどいない彼が引き取られた先は、会った記憶も怪しいたった一人の叔父さん。暮らす久々留木村(くくるぎむら)は米つくりが盛んな村で、どうもカエルの鳴き声が名前のもとらしい。その村ではカエルが神様であり、相撲が大好きとのこと。文季も相撲好きの両親の方針で10年相撲をやってきていたが、身長は150cmたらずで体重も40kgあるかどうか。村に来ることで相撲との縁が切れると思っていた文季だが、さらに深まることになる。はては、神様であるカエルから「相撲を教えてほしい」と言われる。彼は相撲に愛されているのか、それとも祟られているのか。

読みやすい文章に騙されてはいけない。緻密なプロット、異色のキャラクタ、裏の裏の裏まで考えた論理構成が、その読みやすさを支えている。そもそも、引き取られた先が、一度あったかどうかくらいの叔父とその義理の父親という構成からはじまるし、カエルに依頼された相撲が非常にリアルで、人間の相撲との比較はおもわず肯いてしまう。いやいや、それは実際にないだろう・・・って思う以前に肯いているのが素晴らしい。そして、最後はあのオチである。いやはや。

作中の殺人事件の要不要論もあるが、それはさておき、Amazon評価が10のうち★5が5、★4が5という高評価の作品である。

posted by 灯台守 at 07:34| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年11月26日

与楽の飯 澤田 瞳子

与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記 澤田 瞳子 光文社 というのが、フルの情報。
大仏を建立するとき、つまり奈良時代を舞台にしたお話。

聖武天皇の詔によって、大仏の建立が行われていた時代、租庸調という税制の一環で、各地から集まられた平民が大仏建立の作業を担う労働力として働いていた。当然、彼らの食事を給する必要が生じる。このお話は、その給仕を一手に引き受けていた長のお話。

短編構成によって一つの話となる。最初はミステリー的な展開で始まるが、徐々に話しは別の方向に広がっていく。彼ら自身が作る大仏は、いったい何なのか、仏とは何なのかを問いかけていく。

奈良時代というかけ離れた時代を描きながら、登場人物にはリアリティがあり、ぐんぐん引き込まれる。著者の筆力に脱帽といえる。
posted by 灯台守 at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年08月27日

月刊キャッツ 8月 8/26 1F M4

月刊キャッツ 7月 7/16 1F M4
月刊キャッツ、15回め。今回は、一階M列4番。安くて猫のサービスが満点な左サイド席。
もうたまりません。今回は、久方ぶりと初の登場の猫さんが多い。

松本グリザベラは初。木村さんとは、印象がちがうけど江畑さんほどの違いはないです。
聞き比べると、なかなかよい感じ。シラバブは黒柳さんが帰ってきました。やっぱり可愛い。タガーの時の一人遊びも面白い。ミストの解凍はしっぽを引っ張るパターン多し。

ヴィクトリアの引木愛さん、顔小さい!!タントの村上さんは華麗ですなぁ!!

2017年8月26日(夜)公演  大阪四季劇場
グリザベラ 松本菜緒
ジェリーロラム=グリドルボーン 奥平光紀
ジェニエニドッツ 安宅小百合
ランペルティーザ 山中由貴
ディミータ 円野つくし
ボンバルリーナ 渡辺智佳
シラバブ 黒柳安奈
タントミール 村上今日子
ジェミマ 松山育恵
ヴィクトリア 引木 愛
カッサンドラ 片岡英子
オールドデュトロノミー 山田充人
アスパラガス=グロールタイガー/
バストファージョーンズ 正木棟馬
マンカストラップ 加藤 迪
ラム・タム・タガー 田邊真也
ミストフェリーズ 松出直也
マンゴジェリー 新庄真一
スキンブルシャンクス カイサータティク
コリコパット 押田 柊
ランパスキャット 荒木啓佑
カーバケッティ 繻エ 駿
ギルバート 肥田晃哉
マキャヴィティ 文永 傑
タンブルブルータス 塚下兼吾
posted by 灯台守 at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年07月23日

鏡の孤城 辻村深月

鏡の孤城 辻村深月 ポプラ社

学校に行けなくなった、安西こころ。あるとき彼女は鏡の中から呼ばれ、同じ中学生とともに「鏡の城」の「願いの部屋」の「願いのカギ」を探すことになる。集められた7人は、なぜ集められたのか、願いのカギとは、そして「オオカミさま」とは・・・ 様々な感情、想いが交錯し、一年の月日が流れる・・・
果たして彼・彼女たちはどうなるのだろうか。

たぶん特異な形のファンタジー作品。しっかりと現代世界に結び付けられていながら、向こう側の孤城との話も尽きない。ファンタジーでありながら、派手な魔法もバトルもない。しかし、物語が進行するにつれて7人の背景や事実が表れてくるに従って謎は謎を呼ぶ。ミステリー的な話をベースにしつつ、人間関係をさりげなく描きながら、大団円に持っていく描き方は辻村さんの真骨頂だろう。

やっぱり最後の数ページで、辻村節が満開となる。やっぱり上手いの一言につきます。
posted by 灯台守 at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年07月02日

図書館の魔女 烏の伝言

図書館の魔女 烏の伝言 高田大介 講談社

昨年のベスト3冊のうちの1冊(というか、4冊がセット)の続編。
オリジナル本編は、下記にて記載。
http://l-h-keeper.sblo.jp/article/179434482.html

道案内の剛力たちに導かれ、山の尾根を行く逃避行の果てに、目指す港町に辿り着いたニザマ高級官僚の姫君と近衛兵の一行。しかし、休息の地と頼ったそこは、陰謀渦巻き、売国奴の跋扈する裏切り者の街と化していた。姫は廓に囚われ、兵士たちの半数以上が得体の知れない暗殺者に命を落とす……。

まったく前作と繋がらない登場人物だが、中盤すぎるまで前作とのつながりがわからない。さらに、そこまでに登場する数々の謎が、これまた多い。ところが中盤以降、その謎が絡み合い解けて行く。その描写が素晴らしい。伏線の張り方と回収が見事である。登場人物の設定やエピソードも含めての見事な収束を堪能できる。

いやぁ、見事です。続編PART2も年内発行がアナウンスされ、期待が大きい。
posted by 灯台守 at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) |