2012年07月02日

大江戸釣客伝 夢枕獏

大江戸釣客伝 夢枕獏 講談社
江戸の元禄時代。芭蕉が徘徊を確立し、紀伊国屋文左衛門がパトロンとして文化の後押しをし、綱吉が生類憐みの令を出していた時代である。津軽采女こと津軽政兕(まさたけ)を中心に、俳人の宝井其角、画家の多賀朝湖(のちの英一蝶(はなぶさ いっちょう))らを登場させて華麗なる元禄時代を釣を中心にすえて描く。

上下巻の大作で、第39回(2011年) 泉鏡花文学賞受賞。

釣りの描写に関しては、さすが夢枕獏であり、手抜きは無い。そこには海原があって、船のゆれさえ感じられる。そんな描写は彼の十八番である。そして釣りを描きながら、人間を描く。それが夢枕獏である。夢も狂気も日常も非日常も淡々と描写があるのみ。だがその向こうに江戸が見え、人が見えてくる。

何が幸せで、何が不幸か解らない。釣りと言う道楽にはまった人々を描きつつ人間の喜怒哀楽を語る夢枕獏。彼も釣りと言う道楽にはまった作家に違いない。

posted by 灯台守 at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) |
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/56833504
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック