おそろし 宮部みよき・著 角川文庫他・刊
宮部さんのうまさは、「人物」を描き込むことである。それは「人物」が幽霊とか怪しいものでも変わらない。だからこそ、物語にリアルさの裏付けを付加する。
おそろしは、おちかが遭遇する怪談話から派生する奇譚である。この世とあの世の境界をさまよう想いがおちかをいざなう。5つの話は独立しているようで、ひとつの流れになっていく。
宮部さんんの江戸物でもあり、妖怪談でもあり、人情話でもあるという、安心して読める一冊である。
2011年05月06日
おそろし
posted by 灯台守 at 23:30| Comment(0)
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