2005年09月30日

となり町戦争

三崎亜記
となり町戦争(集英社)

非常に特殊な物語。強いていうならSF的か? まあ、井上ひさしの「吉里吉里人」
に近いかもしれない。
現代の日本でひそかに隣り合う町や市が戦争を行うというものだ。全貌のはっきり
しない戦争が徐々に明らかになってくるが、やはり原因や状況ははっきりしないまま
終結する。ただし戦争なので、戦死者はでるし、主人公もかなりアブナイ状況に
陥ったりする。

微妙な背景・設定の中、はっきり言って破綻している状況もあったりするが、
ぐんぐん読ませてくれる。そして最後には、奇妙な読後感が残る。

結局、戦争とはなんだろう?という基本的問いかけが全編を通じて、読者に
投げられてくる。明確な答えはない。ただ、そのバックボーンには冷たい
なにかが流れていて、そこにこそ核心に迫るものがあると言えそうだ、

最近の唄の歌詞でいえば、「世界はそれを戦争と呼ぶ」というところか。
posted by 灯台守 at 23:57| Comment(0) |
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