2018年09月16日

薔薇の名前 <上・下> ウンベルト・エーコ

薔薇の名前 <上・下> ウンベルト・エーコ 東京創元社

たぶん十数年ぶりの再読。ミステリのフリをした哲学書だと思って読むと良いかもしれない。「100分で名著」の解説が丁寧で合わせて読むとグングン進むのが不思議ではある。ページを開けば中世の修道院に誘われ、ワトソン役であるアソドの独白に幻惑される。見事に異世界の感覚を味わいながら読み進む。

ミステリのネタや犯人自体は意外性なしだが、やっぱりそれだけではないのがミステリの面白さ、小説の醍醐味なんだろう。次々に発生する殺人、怪しい修道士、その最中に唐突に登場する異端審問官、謎の書物の存在する何人であれ出入りを拒む秘密の部屋等々が物語の奥行きと雰囲気を作り出す。難読なのは変わらないが、束の間、中世のイタリアの山中を垣間見せてくれる筆力は半端ない。さすが、エーコの代表作だろう。
posted by 灯台守 at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ
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