2018年06月26日

フランケンシュタイン メアリー・シェリー

フランケンシュタイン メアリー・シェリー (光文社古典新訳文庫)

有名だけれども、あまり読まれない本の代表格というか。かの有名な「ディオダディ荘の怪奇談義」にて着想され執筆されたホラーSFという事になっている。SFというよりも、ファンタジックな設定に隠された人間の苦悩の話という方向が正しい。

フランケンシュタインは怪物の名前ではなく、怪物を創出した科学者の名前である。話の大枠を作る冒険家とフランケンシュタインの回想と、怪物の苦悩の独白で構成される話は、幸せにたどり着く登場人物はほとんどなく、苦悩のうちに消えていく。かの怪物でさえ、自らの運命に苦悩の声を上げ闇へ消えていく。

ひたすら絶望に苛まれる人という生き物の性が容赦なく語られる物語。わずか19歳という若き美少女が書いたという事も信じられないが、同じ時に「吸血鬼」のモチーフが登場したことも見逃せない。しかも、その時に集まった人々とその関係者も次々に亡くなっていく運命には、うすら寒いものを感じるのは気のせいだろうか。
posted by 灯台守 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) |
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