2018年03月18日

航路 上・下 コニー・ウィリス

航路 上・下 コニー・ウィリス ハヤカワSF文庫

読書会仲間の紹介です。かなりの長さですが、上巻のコミカルさ加減に油断していると、下巻で足を掬われる。上巻のテンポからすると、倍速以上の後半の畳みかける疾走感はハンパない。

マーシー総合病院で、臨死体験者の聞き取り調査を行なっている心理学者のジョアンナが主人公。その病院は、経営者の意向で、臨死体験の研究を進めているが、なんとも問題なのは臨死体験に宗教を持ち込もうとするマンドレイク。彼は、臨死体験者に誘導的ともとらえられる質問を繰り返し、ジョアンナの邪魔をしていく。そんな中、彼女は、神経内科医のリチャードから新規プロジェクトへの協力を求められる。NDE(臨死体験)を人為的に発生させ、その時の脳の活動を詳細に記録しようというのだ・・・

一歩間違えばキワモノの話になりそうな所を、最新科学的な雰囲気をまといつつ、読者をその気にさせてくれる。そして、主人公のジョアンナ、研究のタッグを組むリチャードのキャラは立っていてイメージしやすい。ある意味、邪魔ばかりするマンドレイクもユニークだし、心房細動で何度も臨死体験しているメイジーちゃんときたら、拍手物のキャラクターである。前半の臨死体験の描写は、それだけでワクワクするし、魅力的な謎解きもプラスされる。

そして、驚愕の2部ラスト。それから怒涛の一気読みとなる。気が付かないうちに、伏線も貼ってあり、見事に回収されているようだが、一読では気が付かない点も多数だろう。

いやはや、上下合わせて1300ページを超える本作、なかなかお勧めできない長さだが、それなりの魅力のある一作である。これだからSF読みはやめられない。
posted by 灯台守 at 15:38| Comment(0) | TrackBack(0) | SF
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