2017年03月12日

蜜蜂と遠雷 恩田陸 

蜜蜂と遠雷 恩田陸 幻冬舎
本屋大賞候補作、9作目。架空のピアノコンサートを追いながら、音楽とはなにか、天才とはなにか、そして人生の深遠に迫る作品。全編、文章のみでピアノやオーケストラの再現に挑む作品。

芳ヶ江国際ピアノコンクールは100人の一次予選で24人に絞られ、二次予選で12人、三次予選で6人に絞られ本選に進むというものである。養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。この4人を中心にコンクールの模様を描く。

かつての名作、「光の帝国」にもチェロとフルートの話があって、チェロによる音楽を描写したシーンが印象的だった。その描写シーンが全巻で表現される。ハマルか違和感で拒絶するか、その人次第だけど私はハマッた。

「チョコレートコスモス」は舞台の描写、本作は音楽の描写と、他の芸術の文字化に挑むのは素晴らしいと感じた。大風呂敷の恩田さんとリスペクトを含めて呼んでいたが、この作品で見事直木賞作家になった。呪縛から解き放たれるかな。
posted by 灯台守 at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) |
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