2017年02月21日

罪の声 塩田武士

罪の声 塩田武士 週刊文春
本屋大賞候補作 7冊目となりました。

昭和の未解決事件を追うことになった新聞の文化欄記者。その背景を探りに、わずかな噂を元にイギリスへ飛ぶが無駄足となる。しかし、昔の取材を掘り起こして、名古屋に向かい、とある事実に向かい合う。とあるオーダーメイドの洋服仕立て屋の男は、母親に言われ亡くなった父親の引き出しを開けることになり、とんでもないものを発見する。それは、一冊のノートと一本のカセットテープだった。そのテープには幼い頃の自分の声が入っていたが、その内容は信じられないモノだった。

三十年以上前の「グリコ森永事件」を想定し、登場する会社名・人物以外は、ほぼそのままというフィクションの形をとったセミノンフィクションとも言える。日本の食品業界を絶望の淵にまで追い込んだ「かい人21面相」の正体に迫り、納得できる目的をあぶり出す。また、その事件に巻き込まれた2つの家族を鮮やかに描き語り尽くす情景は、凄まじいものがある。

当時、大学生だった私には、他人事と思えない、一級品の犯罪小説である。
posted by 灯台守 at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) |
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