2016年02月16日

永い言い訳 西川美和

永い言い訳 西川美和 文藝春秋
本屋大賞候補作シリーズも、はや6冊目。

本名を恥ずかしいと考え、封印した人気作家の津村啓。長年、彼を支え下積み時代を共に乗り越えた妻・夏子を突然の事故で失う。しかし、彼は妻を事を何一つ知らず途方にくれる。彼女がどのバックを持って出て行ったのか、どんな服を着ていたのかさえ覚束ない。
悲しみを装うことしか出来ない彼は、同一のバス事故で無くなった妻の友人の家族を過ごすようになるが・・・

なかなか受け入れがたい、独特な主人公が登場。その主人公との距離感を図りつつ読むような感じがあった。途中から一気に距離感が縮まって行き、物語の内部に引きこまれてしまった。さすがに、上手い。「悲しみ」に打ちのめされる人たちとその周辺の人々。その感情を視点を変化させつつトレースしていく様子が、リアルに迫ってくる。してやられた感があり、他の西川さんの本を読んでみたい・・・という気にさせられた。

なかなかの秀作。
posted by 灯台守 at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) |
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