日の名残り カズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫
すでに老境に達した執事。長年仕えた主人が亡くなった。その屋敷と共に次の主人に使えるが、新しい主人の不在に合わせてイギリス内の旅行に出る。前の主人・ダーリントン卿の思い出や、長年一緒に仕事をしてきたミス・ケントンとの関わりを語りつつ、車を走らせる。自らの人生を振り返りながら・・・
イギリスの執事といえば、それなりのイメージがある。私の基準はハビッシャムさんであるが・・・。(注:小公子に登場) 淡々と語るスティーブンスは、執事の理想、同じ職業だった父のこと、かつての主人・今の主人の話、同僚の話をとつとつと語る。
しかし、鈍感を絵に書いたような主人公ではある。主人の立ち位置は無視しているし、同僚の恋心には気がつかない。
しかし、気がついていないのかわざと語っていないのかは分からない。人生の終盤にさしかっかった彼の思いは何処にあるのか。執事としての人生を誇りに思いつつも、その中にある寂寥感にこみ上げるものがあるのは何だろうか。
2015年06月24日
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