2015年06月22日

ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎

ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎 新潮文庫
2008年本屋大賞受賞作品。候補作の常連でありながら、なかなか大賞に届かなかった伊坂作品だが、この年にこの作品で受賞しました。
山本周五郎賞も受賞しているスリリング・エンターテイメントの傑作と言えるでしょう。

青柳雅春は、困惑していた。仙台にやってきた若き首相が暗殺され、その犯人が自分だと報道されている。直前にあった学生時代の友人、森田は「逃げろ」と言っていた・・・。
事件の直前の描写から始まり、事件の視聴者を描いた後、いきなり二十年後になる。つまり読者は、ほぼ事件の結果を知っているのだが肝心な犯人の全貌は分からない。その状態で事件本編へなだれ込む。

いきなり事件へ雪崩れ込むかとおもいきや、周りを固められてじわじわと周囲を狭められてから・・・というストーリー展開に唖然とする。さらに、身の覚えが無い濡れ衣を振りほどきながら逃げる主人公を描く手法は斬新であるし、その上、かれの学生時代と現代を交互に描きつつ、最後にさまざまなエピソードが収斂していく描写は素晴らしい。

小さな描写が重要な伏線になって繋がっていくのは、伊坂さんの得意とする所だが、それに説得力とリアリティを付加していく。なんとも言えないエンディングがぐっと来る豪華な一冊である。
posted by 灯台守 at 05:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ
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