2015年04月28日

虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター

虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター ハヤカワSF文庫

戦後のSF興隆期の名作の一つ。テレポテーション分野のお約束のお話。

“ジョウント”と呼ばれるテレポーテイション技術の発見と開発により、地球を含む太陽系の人類の生活は一変した。一瞬のうちに、行きたい場所へ行くことが出来る世界。裏返せば、略奪や逃走が瞬時に出来るということでもある。この一大社会変革時代である25世紀、一隻の宇宙船が襲われ一人の宇宙飛行士を残して消え去った。彼は、廃船直前の宇宙船で辛くも生還するが、奇妙な惑星で原住民に捕まる。顔に異様な虎の刺青をされた野生の男ガリヴァー・フォイルの、無限の時空をまたにかけた絢爛たる〈ヴォーガ〉復讐の物語が、ここに始まる・・・

今のSF作品では当たり前のテレポーテーションの記念的な作品で、SFファンなら押さえておくべき作品と言える。不屈の精神で、苦境から脱出する主人公であるガリヴァー・フォイルは、冒頭は荒々しい。後半になるにつれ、思索と戦略が加えられ、恋愛模様も描かれる。ミステリ的な要素もあり、遭難した〈ヴォーガ〉の積み荷が最終的な物語のシメに登場となる。

ガリヴァー・フォイルの復讐劇もドキドキのストーリーだが、彼の精神的な変遷も魅力的である。彼を取り巻く女性との関連性と描き方も本作の魅力の一つといえる。

古い作品ではあるが、骨太のストーリー展開と主人公の精神の変遷を味あわせてくれる名作といえる。
posted by 灯台守 at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | SF
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