2018年12月16日

梟の城 司馬遼太郎

梟の城 司馬遼太郎 新潮文庫

今年の菜の花忌課題図書。とりあえず選択したのは新潮文庫だが、かなり活字が小さい。目で追いきれない時がたびたび登場することに困惑した。

信長に滅ぼされた伊賀の忍者として生き残った精鋭の二人、風間五平と蔦籠重蔵。二人は運命に導かれ秀吉を巡る陰謀と攻防を戦う。さながら二振りの刃のようだ。彼らを取り巻く二人のくの一、木さると小萩とのかかわりを描きつつ、男と女の本質、伊賀と甲賀の忍者の生き様を司馬遼太郎の感性を持って現代に伝えてくれる。こういう忍者小説もあってよいと思わせる一冊。

メインの二人の戦いは少なく、周辺で登場する戦いが見事に描かれ、引き付ける。また、男女のかかわりを司馬遼太郎的に切り取るさまも面白いといえる。

最後に、秀吉を討つことが出来るか・・・という点に限れば歴史上の事実もあって揺るがしがたいが、そこはやっぱり最後には想定外の落ちが待っている。さすが司馬さん。脱帽である。
posted by 灯台守 at 19:03| Comment(0) | TrackBack(0) |