2018年10月20日

ドラゴンズ・ワイルド ロバート・アスプリン

ドラゴンズ・ワイルド ロバート・アスプリン (ハヤカワ文庫FT)

最初は気が付かなかったが、作者は「マジカルランド」シリーズで有名なロバート・アスプリン。惜しくも遺作となった一冊。

ニューオリンズを舞台に繰り広げられる明るいファンタジー。ドラゴン的な要素はちりばめられているが、本人の苦悩とか成長とは横に置いて、ストーリーを楽しむお話だろう。どっちかというと、アメリカンなファンタジーの王道といったところ。キャラクター的には妹のヴァレリーが良い。最後は続きがありそうなフリで終わる。なかなか面白いシリーズになっただろうに。残念ながら亡くなった。本人も無念だろうね。
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2018年10月19日

銀しゃり 山本一力

銀しゃり 銀しゃり[文庫] (小学館文庫)

山本一力さんの描写するご飯は、美味しそう過ぎて堪らない。
「だいこん」もそうだが、本作も柿鮨の魅力に参ってしまう。ストーリーも予定調和的ではあるが、ひねりもあって楽しめる。ただ単なる努力とか周囲との連携とかにとどまらず、江戸の風を感じさせてくれる描きっぷりが心地よい。旗本の家来とはいえ、その内情の苦しさや、江戸・魚河岸の状況など「そうだったんだ!」という部分もあり飽きない語り口も健在でしょう。若干、書き切れていない登場人物の情報もあるが、それはそれで想像して補うことで処理。ドラマ化とかして欲しい作品。
posted by 灯台守 at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代物

2018年10月14日

アトリックス・ウルフの呪文書 パトリシア・A・マキリップ

アトリックス・ウルフの呪文書 (創元推理文庫) パトリシア・A・マキリップ (著)

マキリップの未読本、一掃シリーズ。
マキリップ好きなので、結構確保しているが、なかなか読めず。
一気に読みたいが、さて。

とある戦いに魔術師が介入したが、思わぬ結果で翻弄されるというお話。読者には結果が、ほぼ見えていてどうやってそこにたどり着くかの物語になっている。マキリップの作品によく登場する「森の女王」が本作品にも登場するが、その描写は表現できないほど素晴らしい。魔法や魔法使い達の描写はもちろん、騒然とした台所の情景がなんとも言えない。ラストの意外性は無いが物語の美しさを堪能する本といえる。
posted by 灯台守 at 07:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2018年10月08日

とりつくしま  東直子

とりつくしま  東直子 (ちくま文庫)

とりつくしま係とは死後、この世に未練を残した方に、「なにかのモノに魂を宿らせる」という事をサポートしてくる役割。この本は、そのとりつくしま係に、サポートされ、死後に現世にモノとして帰ってきて残された人々を見て語る、短くて切なくて哀しくて、でも暖かなお話の連作。

ロージン
トリケラトプス
青いの
白檀
名前
ささやき
日記
マッサージ
くちびる
レンズ
番外篇 びわの樹の下の娘

読書会仲間から教えてもらった本。有難い。東直子さんは短歌の名手であるが、このような話も書かれているとはビックリ。才媛である。とりつくしま係とは死後、この世に未練を残した方に、「なにかのモノに魂を宿らせる」という事をサポートしてくる役割だそうで。そもそも、この発想が素晴らしい。そして憑りつくモノも、さまざまなら、動機もさまざま。そして、その想いも、なかなかである。短い中に凝縮した感情の奔流のようなものが感じられ、得難い一冊となった。
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2018年10月04日

魔術師ペンリック ロイス・マクマスター・ビジョルド

魔術師ペンリック (創元推理文庫)ロイス・マクマスター・ビジョルド (著), 鍛治 靖子 (翻訳)

五神教シリーズの最新刊。三本の中編。
・ペンリックと魔
・ペンリックと巫師
・ペンリックと狐

いつのまにかヒューゴー賞も受賞していたとは。今回の主人公は、ペンリックという名の若者。結構イケメンっぽい。いきなり取りついた「魔」との行動がお茶目で面白い。「チャリオンの影」とかの長編とは雰囲気が違って、別の世界を見せてくれる。ペンリックと「魔」のデズデモーナの掛け合いは、まるで夫婦漫才のようで引き込まれる。絶妙の3編。残りの未訳も邦訳されそうなので、期待して待とう。
posted by 灯台守 at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー