2018年02月02日

百貨の魔法 村山早紀

本屋大賞候補作、4冊目。

百貨の魔法 村山早紀 ポプラ社
昨年の候補作、「桜風堂書店ものがたり」と世界観を同じくするお話。

風早の街にある古いけれど街の人々に愛される百貨店といえば「星野百貨店」。その店を支える人々が語る百貨店とのお話。そこには伝説のように語られる金目銀目の白い子猫が・・・魔法のひとときに触れられる。

全五話。一話毎に人がいて百貨店とのかかわりの中、語られる心の内側がしみこむ。人生があって、そこにあたたかな百貨店があって、交錯する想いが転がっていく。でも、果てしなく優しい笑顔が見えてくるのは、やっぱり村山さんの作品らしい。

前作の世界と重なってさわやかで心温まる読後感があって、幸せに浸った。危機にある百貨店と、その行く手にある未来も、仕掛けの延長上にあるというサービスネタも盛り込んであってという一冊だった。

posted by 灯台守 at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) |

屍人荘の殺人 今村昌弘

本屋大賞候補作、候補作の中では3冊目。(2冊は既読)

屍人荘の殺人 今村昌弘 東京創元社
第27回鮎川哲也賞受賞作。選評はなかなか素晴らしい。実績もこれまた素晴らしい。
『このミステリーがすごい!2018年版』第1位
『週刊文春』ミステリーベスト第1位
『2018本格ミステリ・ベスト10』第1位

神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねる。そこは、想像を絶する体験の場所だった・・・

「クローズド・サークル」つまり「吹雪の山荘」と驚愕の密室&奇想天外の殺人方法が登場する作品。出だしの学園ミステリサークルの雰囲気に惑わされてはいけない。そこから怒涛の攻めが始まる。たぶん、これまでこんな作品を作ろうと思ったミステリ作家はいなかったということははっきりしている。

今までのミステリファンの方がビックリ度は高いと思うが、満足度ははて?

posted by 灯台守 at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ