2015年09月09日

博士の愛した数式 小川洋子

博士の愛した数式 小川洋子 新潮文庫
みんどく読書会で2015年9月6日に実施しました。しかし、こっちにはレポート記載していなかったので配布したレジュメを転載します。
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博士の愛した数式 小川洋子・作 新潮文庫
「博士が愛した数式」は、2003年8月刊行。2005年12月に文庫化され、2006年1月に映画化された。2004年2月、第55回読売文学賞を受賞。同年第1回本屋大賞を受賞 。
☆内容☆
彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、ルートと呼んだ。ルート記号の中に数字をはめ込むとどんな魔法が掛かるか、三人で試した日のことはよく覚えている―。記憶を失った天才数学者と幼い息子を抱えて働く私の出会いと幸福な一年。小説の奇跡とも言える、上質でせつなく知的な、至高のラブ・ストーリー。 (新潮社 webより引用)
■不思議な話である。「80分しか記憶がもたない」という博士と、ハウスキーパーの母、息子の「ルート」くんの関わりを一般的では無い、数式を触媒として描く物語である。
・博士と彼女/ルートの関係は、一言では語れない。親子のようで友人のようで恋人のようで、どれも当てはまらない。その関係は、言葉では表せない暖かく緩やかで爽やかで、でも柔軟で強靭である。一方、博士と兄の未亡人の関係は淡く哀しく深く沈潜する。
・Amazonの評価の低い方々のコメント内容は「つまらない」「平凡」というものが続く。評価が全てではないが、何か違和感を感じる。
・微妙なバランスの上に成立する人間関係をベースに、描かれる交流。それの現実性をとやかく言う前に、母たる彼女の感情、博士の思い、ルートの直向きさ、そして未亡人のやりきれなさを感じたい。それらの感情等々が折り重なり、何重にも塗り込められながら描かれた一枚の絵のように私達の前に提示される。心が触れ合い互いの感情が流れこむのが分かる一瞬である。ラブストーリーかどうかは、読者単位に判断が別れるだろうが、一つの交流の形が示される美しい物語であることは確かだろう。
■物語の中で語られる数式/数学用語は下記のようなもの。
ルート  虚数 階乗 友愛数 素数 双子素数 完全数 過剰数
不足数 三角数 等差級数
☆ルース=アーロン・ペア
2 つの連続した自然数のそれぞれの素因子の総和が、互いに等しくなる組のことである。非常に少なく、20000 以下では 26 組しか存在しない。714と715が語源
☆メルセンヌ素数
2の冪よりも 1 小さい自然数、すなわち 2n?? 1(n?は自然数)の形の自然数のこと をメルセンヌ数といい、そのうち素数なものを指す。
サイクロイド曲線 ネイピア数(自然対数の底) オイラーの公式
オイラーの等式  e(iπ)+1=0 フェルマーの最終定理 アルティン予想
posted by 灯台守 at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) |