2015年06月24日

日の名残り カズオ・イシグロ

日の名残り カズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫

すでに老境に達した執事。長年仕えた主人が亡くなった。その屋敷と共に次の主人に使えるが、新しい主人の不在に合わせてイギリス内の旅行に出る。前の主人・ダーリントン卿の思い出や、長年一緒に仕事をしてきたミス・ケントンとの関わりを語りつつ、車を走らせる。自らの人生を振り返りながら・・・

イギリスの執事といえば、それなりのイメージがある。私の基準はハビッシャムさんであるが・・・。(注:小公子に登場) 淡々と語るスティーブンスは、執事の理想、同じ職業だった父のこと、かつての主人・今の主人の話、同僚の話をとつとつと語る。
しかし、鈍感を絵に書いたような主人公ではある。主人の立ち位置は無視しているし、同僚の恋心には気がつかない。

しかし、気がついていないのかわざと語っていないのかは分からない。人生の終盤にさしかっかった彼の思いは何処にあるのか。執事としての人生を誇りに思いつつも、その中にある寂寥感にこみ上げるものがあるのは何だろうか。
posted by 灯台守 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) |