2015年05月04日

千年鬼 西條奈加

千年鬼 西條奈加 徳間書店
過去を見せることが出来る小鬼三匹と、鬼の芽をもつ人たちの巡りあいと別れを、過去千年を駆け抜ける短編から構成された連作。何故、小鬼たちは鬼の芽を摘もうとするのか。

三粒の豆
鬼姫さま
忘れの呪文
隻腕の鬼
小鬼と民
千年の罪
最後の鬼の芽

千年という時の流れのなかで小鬼は、何を求めるのか。罪と、その罪を防ぐという小鬼たちの行動が、徐々に判明し最終話に繋がっていく。この結末が救われた話なのかどうか、読者に委ねられる。誰にでもある罪。それを原罪と呼び、信仰によってのみ救われるものとするか、別の捕らえ方をするか。鬼の芽が自らの身体からふっと飛び立った気がするのは気のせいでは無いと信じたい読後感だった。
posted by 灯台守 at 05:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー