2015年05月13日

わたしの舞台は舞台裏 木丸みさき

わたしの舞台は舞台裏 木丸みさき メディアファクトリー
非常に身近な場所にある大衆劇場は、なかなか立ち入れない場所でもある。なんだかジジババ臭くて・・・という先入観もある。そんな大衆演劇の世界に飛び込んだ一人の女性の一代記・・・(でもないか 笑)

といっても表舞台に立つのではなく、裏方さんの孤軍奮闘記だったりする。ゆるーい感じではありながら、日々旅を生活の場として街から街へ移っていく旅芸人の世界が垣間見れる。一方、裏方の大変さや感動も伝わってくる。たった一人のお客様を前に全力を尽くす劇団の方々の真摯な姿に心打たれるのは、私だけでは無いだろう。

一度機会があれば、覗きたい「大衆演劇」の世界だった。
posted by 灯台守 at 05:18| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2015年05月12日

神様の御用人 浅葉なつ

神様の御用人 浅葉なつ メディアワークス文庫
ひょんな事から、神様?のお使いを引き受けることになった若者のお話。
野球だけはずっとやってきたと思っている萩原良彦は、大学卒業後、とある社会人野球チームに入る。しかし、ケガで膝の半月盤を損傷しあえなく引退。会社も辞めることに。そんな彼が、突然命じられたのは、神様の願いを聞く“御用人"だった・・・。

「設定が勝負」のファンタジーではあるが、かなり無理きりな設定だろう。しかし、思わず引き込まれる噺が続く。甘いものや最先端のものに興味津々の方位神・黄金とのデコボコ・コンビを筆頭に、オタク化した神様や、失恋に自暴自棄な龍の化身等々、マニアックな神様がリアルに登場する。著者の神社好きが押して図れるというもの。日本の八百万の神々のご紹介だけでも楽しい。

短編で読みやすく、続刊も好評の様子。ネタ切れにならなければ良いが・・・と余計な心配もシてしまうのであった。
posted by 灯台守 at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2015年05月11日

ソウルケイジ 誉田哲也

ソウルケイジ 誉田哲也 光文社文庫
ストロベリーナイトの姫川刑事が帰ってきた! シリーズ第二弾。

多摩川の土手に乗り捨てられたワンボックスカーに残されていた血痕と左手首。現場の近くの工務店では大量の血痕が発見された。警察は、その工務店店主が殺害されたと考え、周辺を追跡するが・・・。暴力団のフロント企業と、事故を装った保険金詐欺が徐々に浮かび上がってくる。

前作のストロベリーナイトがジェットコースターなら、こちらはメリーゴーランドと言うべきか。ドンデン返し的な大技はないが、その分積み上げられる人間模様が胸を打つ。人の哀しさという流れをどう捉えるかがカギの作品。丁寧な人間描写、刑事たちの心情を淡々と描く部分に好感を持った。

相変わらずの姫川と対照的な日下の描写がなかなか良い。次作にも期待して読もうと思う。
posted by 灯台守 at 06:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ

2015年05月07日

いくたのこえよみ 堀田けい

いくたのこえよみ 堀田けい 理論社

児童文学同人誌「ももたろう」から生まれたちょっと不思議なお話。

ある日、塾をサボって古ぼけた百貨店の屋上にいたオガタは、目立たない転校生のいくたに会う。彼女は「オガタならいいか」と言って秘密を打ち明けてくれた。なんと彼女は人の心が読めるのだ。「それは、カッコいい!!」と「こえよみ」の弟子入りをするが・・・

テレパシーもののSFには名作が多々あるし、パターンも出尽くした感がある。読み始めは、どこかの類例に入るかと思っていたが、今まで無いパターンに発展した。なかなかよく考えられた集約であるし小学生高学年の同感も得ることが出来るとおもう。描写も丁寧だし、絵が見える。SF的には気になる部分もあるにはあるが、キャラクタは立っていて気持よく読める。主人公の気持ち良い成長が好感を持てるのは非常に良いと感じた。

続編が読みたい気分にさせてくれる一作。
posted by 灯台守 at 06:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童文学

2015年05月06日

妻と帽子をまちがえた男 オリヴァー・サックス

妻と帽子をまちがえた男 オリヴァー・サックス ハヤカワ・ノンフィクション文庫

脳神経科医のオリヴァー・サックス博士が出会った不思議な症例を紹介していくノンフィクション。脳の不思議な機能は、その「障害」という形でくしくも私達の前に現れる。妻を帽子と間違えてかぶろうとした音楽家や、からだの感覚を喪失し歩くこともできなくなった女性、懐かしい音楽が聴こえ続ける老婦人・・・不思議な症例に悩む患者達と、その症例に寄り添う人たちを患者達と同じ視点で見続けるやさしいエッセイ集。

読書会で「オリヴァー・サックス氏」の著作を紹介された直後、古書店で発見。即購入。この種の話になると、その症例のみに注意がいきがちだが、彼の文章は患者側の視点から書かれている。時に医者としての興味から行き過ぎてしまい後悔の弁もあったり、自らの力足らず・・・と後悔することもある。また、劇的な改善が行われ感動と人間の不思議に触れた感動もある。

「事実は小説よりも奇なり」とは良く言ったもの。ノンフィクションも捨て難い・・・と思った次第。
posted by 灯台守 at 15:04| Comment(2) | TrackBack(0) |

2015年05月04日

千年鬼 西條奈加

千年鬼 西條奈加 徳間書店
過去を見せることが出来る小鬼三匹と、鬼の芽をもつ人たちの巡りあいと別れを、過去千年を駆け抜ける短編から構成された連作。何故、小鬼たちは鬼の芽を摘もうとするのか。

三粒の豆
鬼姫さま
忘れの呪文
隻腕の鬼
小鬼と民
千年の罪
最後の鬼の芽

千年という時の流れのなかで小鬼は、何を求めるのか。罪と、その罪を防ぐという小鬼たちの行動が、徐々に判明し最終話に繋がっていく。この結末が救われた話なのかどうか、読者に委ねられる。誰にでもある罪。それを原罪と呼び、信仰によってのみ救われるものとするか、別の捕らえ方をするか。鬼の芽が自らの身体からふっと飛び立った気がするのは気のせいでは無いと信じたい読後感だった。
posted by 灯台守 at 05:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2015年05月01日

創作落語の会 2015/4/30 繁昌亭

創作落語の会 2015/4/30 繁昌亭
連休に帰省する当日に行った創作落語の会です

来て!見て!イミテイ村 月亭太遊
困客万来 桂文鹿
ミスターゴースト 笑福亭福笑
仲入り
奇跡のラッキーカムカム 月亭遊方
おむかえびと 桂文枝

今回は、個性豊かなラインナップ。やっぱり福笑さんの爆発ぶりが良い。ユニークだったのは文鹿さんの噺。福笑さんが「あんなのもいいなぁ」と呟いていたのが印象的。
そしてシメは文枝師匠。この手の噺を明るく話せるのはやっぱり大したものだと思う。
posted by 灯台守 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語