2015年04月29日

氷 アンナ・カヴァン

氷 アンナ・カヴァン ちくま文庫

核兵器の使用で地球の冷却化が進み人類滅亡が迫る中、主人公は一人の少女を追い続ける。その行動と精神状態を語り続ける物語。幻の作品だったらしいが、今回復刊されてmixiつながりの方に紹介された。

ヘロインを常用し、一種の中毒状態だったとも言われている作者・アンナ・カヴァンの遺作でもある。文章は、どんどんワープし、前後のつながりがはっきりしないケースもある。カフカと似ていると言われるが、私はちょっと違うと感じた。ストーリーはほとんど無く「逃走する」あるいは「連れ去られる」少女を一方的に追いかける話でもある。

人類に迫る危機を描きつつただ少女を追いかける主人公は、鬼気迫るものもある。少女が何を表現しているかとか、主人公が追い求めるものが何かとか、いろいろ解釈の方向性はあるだろう。物語の終着点は、はたして何処なのだろう・・・と思わずにいられない氷の話だった。
posted by 灯台守 at 09:13| Comment(0) | TrackBack(0) |