2015年02月28日

土漠の花 月村了衛

土漠の花 月村了衛 幻冬舎
2014年度本屋大賞候補作シリーズ。

ソマリアの海賊対応に派遣されている自衛隊メンバー。折しも他国の軍のヘリコプターが遭難し、出動要請され現地に赴く。その墜落場所近くで野営中駆け込んできた現地の女性がいた。彼女を受け入れたその直後に夜襲を受ける。彼女が逃げてきたのは、そのテロリストからだった。一旦窮地を脱出した彼らは、隣国ジブチの基地への生還を目指すが・・・。
迫り来るテロリスト、死と背中合わせの逃亡、何かを隠している彼女。想像しなかった戦闘という現実に直面する彼らは、生き残って生還できるのか。

期待の新鋭、「機龍警察」で喝采を浴びた作者の最新作でもある。いろいろと話題になっている自衛隊を正面に据えてのフィクション。想像上の設定とは言え、リアルな設定に引く方もいらっしゃるだろう。そのリアルさ故に、死と直面する隊員たちの息遣いが伝わってくる。

各キャラクタの書き込みがちょっと足らないような気もするが、勢いで読めます。(褒め言葉です)映画化は、ヒロインをどうするか大変だろうな。主人公は岡田君で決まりかも。(^^;
posted by 灯台守 at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) |

2015年02月27日

キャプランサンダーボルト 阿部和重・伊坂幸太郎

キャプランサンダーボルト 阿部和重・伊坂幸太郎 文藝春秋
本屋大賞候補作シリーズ。完全合作だが伊坂さんは2冊め、阿部さんは初めて読む本。

相葉は、後輩の女の子に肩入れして大量の借金を背負っている。相手が悪く、自分の実家も乗っ取られそうである。一発逆転を狙った時に遭遇したのは、因縁の旧友・井ノ原だった。彼も息子の病気に苦労し、借金がかさむ一方だった。
東京大空襲時に北陸へ向かったB29、突然公開中止になった映画、謎の村上病・・・。幾つかの謎が絡み、一点に収束していく。それは蔵王の御釜だった・・・。

一点一点吟味していくと、穴はあるし、ちょっと盛りすぎだろうという点もある。しかし、フィクションはフィクション。ノリとスピードでどんどん話は駆け抜けていく。読み始めたら止まらないし、アクションも主人公二人の掛け合いも面白い。

時間を忘れて読み込める一冊。
posted by 灯台守 at 05:48| Comment(0) | TrackBack(0) |

2015年02月25日

アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎

アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎 幻冬舎

2014年度 本屋大賞候補作
以下の6編からなる連作短編集
アイネクライネ
ライトヘビー
ドクメンタ
ルックスライク
メイクアップ
ナハトムジーク

お互いの作品の登場人物が、別の作品に顔を出す。そして、最後の一編は書き下ろしで、すべての話がひとつの輪に結ばれていく。特段突出した人はいないが、それぞれに味わい深く沈潜していく。

織田さんのダンナが非常にユニーク。でも、友達にいると迷惑そう。(^^;

これが初めての伊坂作品。記念すべき一冊。
posted by 灯台守 at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) |

2015年02月24日

あまねく神竜住まう国 荻原規子

あまねく神竜住まう国 荻原規子 徳間書店

「風塵秘抄」からの続きとして読むか、単独の話として読むか。

伊豆の地に流された頼朝のお話。10代前半の頼朝は、地元の豪族にうとまれつつ暮らす。その頼朝のいる館の主が死に、彼は北条氏が管理する領地へ転地するが、そこに意外な客が訪れる。笛の名手・草十郎が乳母の息子と名乗ってやってきたのだった。そして彼の妻の糸世もやってくる・・・。

大きな盛り上がりもなく、史実に沿った話で終了する。のちの頼朝の妻である正子も登場するが、まだまだ幼い。そういう事を踏めつつ読むのも良いかも。荻原さんのファンには欠かせない一冊だが、そうでない人には物足りないかもしれない。
posted by 灯台守 at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2015年02月22日

ハケンアニメ! 辻村深月

ハケンアニメ! 辻村深月 マガジンハウス
2014年度 本屋大賞候補。

そのクールのアイメ業界の「覇権を制する」アニメは何か。1クール、12本〜13本の30分1話を作り上げていくアニメ制作のお仕事小説。伝説の監督を9年ぶりに表に引っ張りだす女性プロデューサー、アニメに惚れ込んで監督となった女性監督、作画を通じて神原画を仕上げるアニメータの三人の話しから構成される物語。

リアリティがあるかというと、それは無理。しかし、ノリは良く悪人も登場しない。(いやな感じの奴は登場するが)はっきり言ってラノベでしょう。でも良質のラノベ。

言葉の美しさや、文章の味はこっちへ置いて物語を堪能することができれば良い本でしょう。そこに拘るなら、読まないほうが良い本でしょう。
posted by 灯台守 at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) |

2015年02月21日

作家の本棚 ヒヨコ舎 編

作家の本棚 ヒヨコ舎 編 アスペクト文庫
本棚には、その人の読書嗜好が現れます。すなわち趣味嗜好を具体的に表現しているとも言えます。そんな書斎の本棚をインタビューした結果を再編集して文庫化した本がこれ。

角田光代
桜庭一樹
石田衣良
穂村弘
有栖川有栖
神林長平
菊地秀行
川上未映子
みうらじゅん
山崎ナオコーラ
山本幸久
西加奈子
夢枕獏
中島らも

どなたの本棚も魅力的ですが、最後のらもさんの本棚解説は奥様がなさっています。ちょっと感動。
posted by 灯台守 at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) |

2015年02月20日

長安牡丹花異聞 森福都

長安牡丹花異聞 森福都 文藝春秋文庫
前回の「琥珀枕」に続き、「本おや」の店主さんからススメられた本。面白いのに絶版とか。とほほ。

表題作からなる中短篇集。表題作は、第三回松本清張賞受賞。夜光る牡丹を武器に、異国の凄腕衛士と絶世の美女の踊子と一攫千金を狙う孝行息子の顛末を描く。やはり中国を感じさせる文章は上手い。

私は、科挙を題材にした「ティーティング」が良かった。

長安牡丹花異聞
累卵
チィーティング
殿(しんがり)
虞良仁膏奇譚(ぐらじんこうきたん)
梨花雪

以上、六編の収録。しかし、絶版はもったいない。
posted by 灯台守 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー