2014年10月16日

天国はまだ遠く 瀬尾まいこ

天国はまだ遠く 瀬尾まいこ 新潮文庫

何をしてもうまくいかない。仕事も上司にびくびくしながら、一日が終わるのを待つような状態でこなす。そんな、毎日に嫌気が差した千鶴。「どこか遠くで死のう」と、寂れた村の、営業しているかどうかわからないような民宿で睡眠薬を大量に服用し、死ぬ・・・つもりだった。しかし、意に反してぐっすり眠って目覚めたのは翌々日の近く。すっかり、死ぬ気をなくした彼女は、民宿の田村さんのなんとも言えない対応に癒やされていく・・・

なんとも、盛り上がりも下りも無い、淡々と田舎の生活が書かれているお話。でも、不思議に納得してしまう生活感と、例えようのない安心感が溢れてくる描写が続く。これはなんと言ったらよいか。瀬尾マジックだろうか。

あとがきから推測すると、どうも作者の経験談が元になっているようではある。生きるということ、生活するということはかくも大変で、どうでもよくて、しゃかりきなっても、なすがママでも前を向いて進めばなんとかなるものだと思えてくる。

不思議な話ではあるが。
posted by 灯台守 at 05:46| Comment(0) | TrackBack(0) |