2014年06月07日

冷たい校舎の時は止まる 辻村深月

冷たい校舎の時は止まる 辻村深月 講談社文庫
著者のデビュー作。メフィスト賞の受賞作らしい。
センター試験が迫ったある日。雪が降りしきる中、学校に集まった8人。なぜか彼・彼女達以外は登校して来ない。その上、校舎の外には出られない。10月の学園祭の時に自殺した同級生の仕業なのか、8人の中に、その当人がいるのか。記憶は不確かになり、時間は止まっている。再び動きだした時計が五時五十三分になるとチャイムが鳴り、一人ずつ消えて行く・・・。

青春ダークファンタジーというのが適切か。特殊な空間の中、犯人探しをしつつ、8人の回想がしっかり語られる。あの高校時代の切ない、甘く苦い時間が描かれる。辻村さんは高校3年の受験シーズンに本作を書いていたそうだ。

他の作品にも、その傾向があるが、作品にこめられた謎と精神的な主題とが重なりあって、読後感はなんともいえない物が残る。本作も例外ではないが、微妙に張られたトリックが意外であり不覚にも号泣しかかった。そこを評価する人と、評価できない人に分かれる作品だろう。
posted by 灯台守 at 10:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ

2014年06月05日

入梅

九州も四国も入梅しました。そろそろ梅雨のシーズン・・・
posted by 灯台守 at 06:08| Comment(0) | TrackBack(0) | あれこれ

2014年06月04日

ぼくのメジャースプーン 辻村深月

ぼくのメジャースプーン 辻村深月 講談社文庫
主人公のぼくは、「条件ゲーム提示能力」と名付けられた”提示された2つの条件のうち、一方をかならず選ばせる”という能力を持っている。そんな彼の友達「ふみちゃん」は声を失った。医学部生の市川が学校のウサギを切り刻み、その無残な姿を彼女に見せたから。「ぼく」はこの能力を使って市川に罪の重さを知らしめようと考えた・・・

お話は「ぼく」と「条件ゲーム提示能力」を持つ児童心理学の「先生」とのお話で成立している。そして「ぼく」はどうやって犯人に罪の重さを知らしめるのか?という点に向かって収束する。

なかなか見事な収束の結末。人間の「復讐」というものを暴きつつ、「正義」の重みを語る作品。
題名であるメジャースプーンも重要な意味を持つところが味がある。結末は賛否両論あるだろうが、作者の暖かい目が「ふみちゃん」に注がれていることがわかるのは癒される。
posted by 灯台守 at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) |

2014年06月03日

青天の霹靂

青天の霹靂 劇団ひとりの原作・監督作品 主演は、大泉洋、柴咲コウ、劇団ひとり

35歳の轟春夫は売れないマジシャン。ある日、警察からホームレスとして生活していたらしい父親の死を告げられる。その遺品を見に行った彼は、晴れ間から落雷を受け、自分が生まれる数ヶ月前にタイムスリップする。そこには、売れないマジシャンの父親と彼の子を身ごもっている女性がいた・・・

タイムスリップものは難しい。この話は、その難しいところをさっぱり捨て去って笑いと涙の人情喜劇に変えたことで成功している。大泉洋は上手い。ノースタントの手品もあざやか・・・とはいえない手つきが素晴らしい。あのカード捌きだけでも真剣さが伝わってくる。彼を主役に据えたことで半分以上成功したといえるだろう。

劇団ひとりが演じる父親のいい加減さと柴咲コウ演じる母親の真っ直ぐさが大泉洋のコミカルさとあいまって不覚にも号泣しかかった。

大泉洋が病院で言うセリフは、あらゆる母親にささげたい、名ゼリフである。そして、劇団ひとりは侮れない・・・と再認識した。
posted by 灯台守 at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画