2014年06月29日

超高速!参勤交代

超高速!参勤交代は、本木克英監督作品。土橋章宏が審査員全員満点という快挙で城戸賞を受賞した脚本の映画化。佐々木蔵之助、深田恭子、上地雄輔らが主演。小説版の感想は、下記urlで
http://l-h-keeper.sblo.jp/article/86592798.html

時は、八代将軍吉宗の時、一万五千石の小藩である湯長谷藩に隠し金山の疑いがかかる。そのため「五日以内に登城しなければ即御取り潰し」という使命が下った。江戸まで六十余里。果たして、たどり着けるのか?

正直、原作の面白いところを時間の関係で端折っている部分もあり、若干期待はずれの部分もあったが、主役の佐々木蔵之助が奮闘していた感がある。脇の俳優も芸達者な方、ジャニーズ事務所等々取り揃えてにぎやかで面白い。

正確な時代劇より楽しめる時代劇を選択したスタッフは正しいかもしれない。最後の将軍と小国大名の会話などは、現実的には不可能だが架空の話として存分に楽しめる。まあ、映画館というよりもDVDで良いかも。
posted by 灯台守 at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2014年06月28日

白いへび眠る島 三浦しをん

白いへび眠る島 三浦しをん 角川文庫
三浦さんの異色ファンタジー。

悟史は、拝島の出身。今は本土の高校に通っているが夏休み、それも13年ぶりの大祭にあわせて帰島する。そんな悟史を迎えたのは「持念兄弟」といわれる関係の光市。かれら二人は祭りが近付くにつれて島の異変を感じる。その大元の「あれ」とは何か。二人は「あれ」を探るが・・・

主役の二人の関係性がなかなか心地よい。キャラクターも立っている。途中で登場の神社の次男くんとその友達の犬丸さんもなかなか。

もう少し「謎」を追求してもらってもよかったと思うし、可愛い同級生も登場するのでそこを突っ込んでほしかった気がするが、そこは三浦さんでうまくまとめている。
posted by 灯台守 at 07:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2014年06月27日

きみはポラリス  三浦しをん

きみはポラリス 三浦しをん 新潮文庫
恋愛をキーワードにした三浦しをんさんの短編集。

収録作品は下記の通り。
・永遠に完成しない二通の手紙
・裏切らないこと
・私たちがしたこと
・夜にあふれるもの
・骨片
・ペーパークラフト
・森を歩く
・優雅な生活
・春太の毎日
・冬の一等星
・永遠につづく手紙の最後の一文
全11篇。

いろいろなパターンが繰り広げられる三浦ワールド。キーワードは恋愛だが、さまざまな形の恋愛が語られる。その話単位で切り出す形が違う恋愛がまさに三浦マジック。
posted by 灯台守 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) |

2014年06月23日

肩胛骨は翼のなごり デイヴィッド・アーモンド

肩胛骨は翼のなごり デイヴィッド・アーモンド 創元推理文庫
なぜか読んでいなかった名作。
生まれたばかりの妹がいるぼくの家。父さんと母さんは、新しい家を購入したが、そこには古い今にも倒れそうなガレージがあった。そこでぼくが見つけたのは、不思議ないきものだった。

主人公の「ぼく」の純粋さにまずやられた。それを偽善とか、子供だからという言い訳はどうでもよい。スケリグと「ぼく」の会話は隠し立ても裏の意味も無く、真っ直ぐである。それは「ぼく」と「ミナ」の間にも言えることである。

妹に対する「ぼく」の接し方も初々しい。生きとし生けるものへの讃歌がある。しらずしらずのうちに、小さな命への感情が湧き上がってくるのは不思議。

余計な描写も説明も解説もなく、鮮やかに締めくくられる物語の終わりは、優しく少し寂しい。原題は彼の名前、「Skellig」だが、邦題のなんと素晴らしいことか。この名前だけで、十二分な物語を語ってくれている。山田順子さんの訳と共にどうぞ。
posted by 灯台守 at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2014年06月22日

ノア 約束の舟

「ノア 約束の舟」はダーレン・アロノフスキー監督作品。 ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エマ・ワトソン らが出演。

ご存知、「ノアの方舟」伝説の映画化。旧約聖書とかなり違う解釈もあり、そこがポイント。
旧約聖書では、ノアは、その妻、三人の息子とそれぞれの妻を方舟に乗せたとあるが、本作では解釈が違うようだ。そこが後半の(この映画の)主張と重なる。

ノアは一人で(家族で)生き延びることに罪悪感はなかったか、助けを求める人の声を聞かなかったか等々の疑問に答える(ある意味の一つの解釈例)が提示される。

それにしても、エマ・ワトソンはついに母親役を演じるようになったか・・・と感慨深いものがある。それに増してもジェニファ・コネリーの堂々たる妻ぶりに、ちょっと感動。B級ホラーの「フェノミナ」の美少女が、この役を演じるまでの苦労がしのばれる。

中盤のスペクタクル以外は、宗教的な人間劇になるので、そのあたりがパスな方はDVDで。私は、見てよかったと感じた次第。
posted by 灯台守 at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2014年06月21日

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ 辻村深月

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ 辻村深月 講談社文庫
講談社100周年記念出版の一冊。
フリーライターとして活動するみずほは、幼馴染みのチエミが母親を刺して逃走するという事件に遭遇し、唖然とする。理想の母娘だったチエミと彼女の母。彼女達に何が起きたのか? 彼女は、チエミ周辺の人たちにインタビューを行いつつ、彼女の行方を追う。チエミは何故逃走したのか?

男には解らない女性同士のやり取り。この周辺を深く掘り下げる表現は、辻村深月は上手い。女友達との関係、母と娘の関係。それは外からは計り知れないモノがある。独立しようとする女性と、それを嫉妬する女性。自らを理解し「白馬の王子」はいないとしりつつ、求める女性。互いに理解できず傷つけあう女性達。そして年齢を重ねてあせりと諦めが同居する・・・

救いようの無いと思われるストーリー展開の終焉には、一筋の灯がともる。チエミの逃走理由には、人間としての尊厳があると思う・・・。

それにしても、男は情けない。というか、なんともはや。
posted by 灯台守 at 08:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ

2014年06月20日

魔法の声 コーネリア・フンケ

魔法の声 コーネリア・フンケ WAVE出版
ドイツで活躍するファンタジー作家、フンケの第三作らしい。独特の雰囲気の語り口が「合う」「合わない」があるとも言われるが、その世界観は素晴らしい。

本の修理や補修を行う父・モーとその娘・メギー。ある夜、ホコリ指と呼ばれる男がやってきて「カプリコーン
が待っている」と告げる。メギーは、父と伯母と共にカプリコーンの魔手から逃れようとする。彼らは、父が物語の中から呼び出した登場人物だった・・・

時代は現代のはずだが、中世の雰囲気がただよう世界での冒険。登場人物が生き生きと描かれメギーの恐れや父、母に対する気持ちも読み手にすんなり入ってくる。またカプリコーンやホコリ指をはじめとするキャラクターも個性的。本好きの伯母のエリノアがなんともエキセントリック。

本作は三部作の冒頭部分。すでに完結しており邦訳も出ているので続けて読む予定。結構な大作。
posted by 灯台守 at 06:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー