2013年07月12日

夜の底は柔らかな幻 上・下 恩田陸 文藝春秋社

夜の底は柔らかな幻 恩田陸 文藝春秋社

今の日本とは、また別のパラレルワールドの日本の話。
途鎖国は、犯罪者や無法者が集まる国。密入国は即、死刑に等しいと言われる。在色者と言われる超能力を持つものが普通に存在する場所。八月は闇月と呼ばれ、山に集うのは、先祖をあがめる人たちとウラを支配しようとする者達だった。

「発想の恩田陸」と私は呼んでいる。物語の設定、謎を産む過程においては他の誰も寄せ付けない。この話も、謎の設定がすばらしい上に、キャラクターも一癖、二癖ある人々が縦横無尽に登場する。上巻の勢いからすると下巻は収束へ向かうのだが、若干ページ足らずのところがある。この設定で続編を書いてほしい気がするのも、やはり筆の力のなせる技か?

ただし、直木賞候補だが作品自体は恩田さんのベストかどうか、微妙なところかも。
posted by 灯台守 at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) |