2012年11月19日

小太郎の左腕 和田竜

小太郎の左腕 和田竜 小学館
くしくも、昨日見た映画「のぼうの城」の原作者の本。本作は三冊目にあたる。

時代は、戦国時代のちょっと前。まだ群雄割拠する直前であり、各所に土族の領主がいた頃が舞台である。林半右衛門は、「功名漁り」の異名をとる武士である。無骨を絵に描いたように、戦場を駆け巡り敵を蹴散らしていく。その半右衛門が戦の最中に御屋形様の甥の危ういところを助けるはめに陥る。命からがら脱出するが、心底疲れはてた所を地猟師に助けられる。その猟師の孫が小太郎だった・・・。

小太郎に隠された謎とは?なぜその猟師は、小太郎に火縄銃を撃つなといったのか?

司馬遼太郎や池波正太郎などの時代物ではなく、ライトノベルや脚本に近いエンターテイメントである。これはこれで、楽しめる。かなりデフォルメして書かれているが、ある意味、戦国時代の武士の気骨、領主と家臣の関係、男と男の理想などを説いていると見ても良いかも。主人公の林半右衛門やライバル・花房喜兵衛の描き方は気持ちの良さが感じられる。一方、悪役?の戸沢図書は、悪人として書くかと思えば、深い理由がある振りだけ書かれていて、ちょっと中途半端ではある。

総じて「楽しめれば勝ち」と思って読める人には良い物語。かなり無理な設定はあるにはあるが、時代物の入門編として考えれば、良い本だろう。
posted by 灯台守 at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代物