2012年04月08日

ブックストア・ウォーズ 碧野 圭

ブックストア・ウォーズ 碧野 圭 新潮社
亜紀は27歳の書店員。仕事で知り合った大手出版社の編集者を結婚して幸せな日々ではある。しかし、上司の理子は彼女を嫌い、反発する。そんな中、理子が店長に昇格。しかし、店は半年後に閉店するとのこと。閉店を阻止するため二人は売り上げ倍増を目指す・・・

前半は二人の反目を語り、後半は一致団結して売り上げ促進への奮闘を描く。周辺に登場する人たち、特に理子の上司は悪意の皮塊・・・というより、かなり醜悪な方々。なんだか救いがない。夫も彼の同僚も作家の方々も実態はあまり見えず。そのあたりは残念。

しかし、女性二人のやりとりはリアルだし、彼女達への風当たりの強さもリアルである。会社のズルさやどろどろした人間関係も描かれていて、そのあたりは凄いが、後味は良くはない。しかも幕引きはちょっと納得は行きかねる。

とは言うものの、女性を主役にして、現実に立ち向かっている様子を描いていることは評価したい。作中、理子が「不可能」と諦める所を亜紀が怒り「ここで逃げたらやっぱり女だから出来なかったといわれる」というシーンがある。正面切って言われることは無いだろうが、古い世代はそう思っているに違いない。女性が自立して活躍するには、まだまだ時間がかかるのかもしれないと思わせる話だった。

負けずに、こういう話を書き続けてほしいものである。
posted by 灯台守 at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) |