2012年03月17日

影の棲む城〈下〉L.M.ビジョルド

影の棲む城〈下〉ロイス・マクマスター・ビジョルド 創元推理文庫
上巻は、丹念に描いた下絵。その上に下巻にて大胆に下絵からは想像もつかないものを見せてくれる一大ファンタジーとなっていた。さすがに、3つの賞を取るだけあって、すばらしいエンディングを見せてくれた。

魔を宿すフォイとアリーズ夫人のカティラーラ。そして常ではない状態のアリーズとイルヴィン。通常では考えられない魔の増加とジョコナから救出したゴラムの不思議な状態などが絡み合い、ジョコナのソルドソ公の動きも合わせて物語は収束へと向かう。

本編には、前作の重要人物であり主人公だったカザリルは登場しない。イセーレ国王妃もベルゴン国王も名前は登場するが、かかわりは無い。その分、フェルダとフォイ兄弟や急使のリス、庶子神の神官であるガボンなど個性的な新しい登場人物がその役割を演じてくれる。

上巻の展開が比較的ゆったりと進むことに比較して、下巻の流れは急を告げている。いろいろな意味を示しつつ神と人々との係わり合いまで考えさせるエンディングはすばらしい。すばらしいというよりもある意味すさまじいとも言える。チャリオンの五神教シリーズは、一筋縄では行かないファンタジーである。心して読まれることをオススメする。
posted by 灯台守 at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー