2011年12月16日

愛書家の死 ジョン・ダニング 後編

昨日の続き。

本編は、競馬場を主として描かれる。古書店や古書の描写はあまり無い。個人的には、古書として扱っている分野が児童書であり、かなりなじみ深い本も登場しているので、その部分も堪能した。また、あまり知らない世界だが、書き手の経験が生かされた競馬と競馬場の話も良い。

基本的に人の描かれるミステリ(これはハードボイルドに近くなっているが)は、読み心地が良い。この本の話題の中心的人物である、調教師の妻・キャンディスも話が進むにつれて人物像が目に浮かぶようになってくる。当然、犯人は意外であり、楽しめる。途中の冒険も、クリフの彼女であるエリンとのやり取りも、依頼人のシャロンとのやりとりも良い。また「酔いどれの男」を気にして悔やむあたりも、印象に残るエピソードだった。

著者は体調を崩していたらしいが復活して新作を書いているとのこと。彼女のエリンとの関係も気になるし、続きに期待したい。
posted by 灯台守 at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ