2011年08月31日

ツナグ 辻村深月

ツナグ 辻村深月 新潮社
死者に一度だけあわせてくれるという使者(ツナグ)。その使者と、死者にあわせてもらうという依頼をする数人の人のお話。連作短編をあわせた長編。ミステリとSFとファンタジーのあわせた作品。

ツナグは、使者と書いてツナグと読ませる。実際に、死者をこの世にもう一度読み戻すことができる。満月の夜には、ほぼ一晩中。死者にあうにはひとつの約束事がある。一つは、生きている間に、死者に会うのはただ一度だけ。同一の人はもちろん他の人でも、死者には一度きりしか会えない。死者の側からも同じことが言えて、死者からも生きている人には一度しか会えない。当然死者からアプローチすることは不可能。

「アイドルの心得」
「長男の心得」
「親友の心得」
「待ち人の心得」
「使者の心得」

上記、5編からなるが最後は、使者側から書かれたまとめ的な話。といっても、伏線だったと気がつかなかった事柄に物語が収束していくあたりはうまい。

ひとそれぞれ、好みは違うだろうが「生と死」を否が応でも思い知らされる話の連続でけっこうきついかもしれない。でも、書き手の実力は十分あり、引き込まれていく作品。

posted by 灯台守 at 21:33| Comment(4) |