2011年05月12日

パワー

「パワー」西のはての年代記 (3) グウィン・著 河出書房・刊

シリーズ三部作のうちの3作目である。主人公は、ガヴィアと言う少年。グライやメマー達も最後に登場する。まあ、日本風に言うと大団円なのだろうか? 三部作中、本作品が一番長い。前作2作が、物語の場面が、ほぼ同一の場所で起こる事象であることに対し、この作品では主人公が、さまざまな土地を放浪する。

この主人公もいわゆる「ギフト」を持っているが、そのギフトはあくまできっかけ/トリガーにしか過ぎない。背景にあるのは大きな問いかけだろう。「自由とはなにか?」「生きるとはなにか?」

ル=グウィンは、明確な答えを用意して3部作を終わりにしているわけではない。「悪というものは、一本の剣で葬り去ることのできるものではありません。」とジブリ版ゲド戦記にコメントしたこの作家は、より深く、より細やかな回答を読者に求めるのである。
posted by 灯台守 at 21:52| Comment(0) |