2011年05月07日

あんじゅう

あんじゅう 宮部みゆき・著 中央公論新社・刊

おそろしの続編である。昨年の夏ごろ出たばかりなので、残念ながら文庫・新書には落ちていないのが残念。あんじゅうは、たぶん暗獣だろう。闇獣かもしれない。やはり、「あんじゅう」が秀逸な一遍。この話に出てくる「くろすけ」が非常に良い。

宮部みゆきが描く江戸物はつい最近まであった懐かしい日本そのものかもしれない。まだまだ暗がりがあった時代。そこには人間の業というものが巣くっていた。なにもかも光の中に引きずり出すことが良いことだと勘違いしていた。物事には、表と裏、陰と陽、双方あって成り立つのだろう。やっと気がついた今日この頃。

宮部みゆきの描く妖怪は、どこか暖かで、なぜか寂しい。ハリウッドモンスターのように理由もよく解らず、暴れまわるではなく あふれる想いや哀しみを抱えて江戸の町の闇にたたずんでいる。
posted by 灯台守 at 20:15| Comment(1) |