2008年04月02日

蛇を踏む 川上弘美

蛇を踏む 川上弘美 新潮文庫

いうまでもない、芥川賞受賞作。しかし純文学か?と言われると若干違う気もする。
ファンタジーに近いが、ファンタジーの手法を使った純文学かもしれない。

主人公は、ある日出勤途中に蛇を踏んでしまう。踏まれた蛇が「踏まれたから
仕方ありません」と言って、その後主人公の家に住みついてしまう。それから
蛇と主人公の奇妙な生活が始まる・・・

主人公の勤務先は数珠屋である。主人公も勤務先の主人も、その妻も名前は
カタカナである。数珠屋という設定は、相当奇想天外である。そもそも私たちが
珠数屋にお世話になることは、ない。どっから来た発想なのか非常に興味が
ある。(名前もカナカナ堂という。これまたケッタイな名前)

筋らしい筋はなく、主人公と蛇の関わり、勤務先のご主人と奥さんとの間にも
蛇がからみ、話は一種なにかの象徴のように進んでいく。
具体的な教訓も悲劇も喜劇もなく、最後もどうなったか定かではないが、
妙に気になり心に何かを残して行く話である。
posted by 灯台守 at 22:07| Comment(0) |