2007年11月08日

ちんぷんかん

ちんぷんかん 畠中恵 新潮社

ご存じ、「しゃばけ」シリーズの最新巻。
毎度おなじみの体の弱い若旦那、今回はついに「三途の川」くんだりまで
出かけてしまう。出かけて戻ってくるのが凄いところだが、今ひとつ、説得力に
書ける筋の運び方ではある。

まあ、若旦那の兄に縁談がふってわいたり、火事で長崎屋も全焼したり、
(このせいで死にかけるのだが)いろいろやっかいな事に毎度巻き込まれる
若旦那である。

本巻は、いつもの通りの兄さん役の妖、2人がおとなしい。その分、若旦那の
悩みが色濃く出ているように見える。人のはかなさ、縁の不思議さがとれる
最終話「はるがいくよ」は、なかなか良いと思う。

でも、若旦那の母親と父親のなれそめ話である「男ぶり」も捨てがたい。

あなたは、どのお話が好きですか?
posted by 灯台守 at 22:36| Comment(0) | 時代物

2007年11月07日

龍のすむ家

龍のすむ家 クリス・ダレーシー 竹書房

「下宿人募集ただし、子どもとネコと龍が好きな方。」そんな張り紙から物語は
始まる。いわゆるファンタジーだが、最近はやりの魔法ばんばん、モンスター
どこどこ の物とはひと味違う。

龍のすむ家といいながら、龍はほとんど登場しない。その代わりリスが登場。
実在するリスをモデルにしたお話の創作が物語の一部をなしていて、そのまま
物語の主人公の一角を占めることになっている。そのできあがる過程が
また一工夫あるので、楽しい限り。

夢物語にならず、きわめて厳格な世界を構築していくのがファンタジーだが、
この話も、ある約束に縛られた「異世界」物語といえる。
その世界が好きになれるかどうか、その世界に飛び込めるかどうかは、
読者の適性と作者の緻密さ加減による。

本編は、第一作で、続編が「氷の伝説」「炎の星」と続く訳だが、灯台守は
未読である。次の話に、なだれ込む要素は少ないが丁寧な作りと
ご都合主義ではない物を感じるので、いづれ読む可能性は高い。

息子が先か、私が先か、まだ不明だが。
posted by 灯台守 at 18:33| Comment(0) | ファンタジー

2007年11月06日

時実新子

本の題名ではなく、川柳作家の時実さんである。
今、手元には数冊の本がある。エッセイあり、選集あり、句集もある。

しかし、このエネルギーはすさまじい。
俳句ではない川柳。同じ17文字という制限なのに、季語という制約から
解き放たれた途端、精神を縦横無尽に吹き飛ばす迫撃砲の様相を
呈してくる。

心奪われ、阿呆のような日が流れ
どうぞあなたも孤独であってほしい雨

「有夫恋」からの引用であるが、この鋭さ、力強さ、緊張感はどこから来るのだろう。

亡くなってから存在を知った時実新子氏の著作を探す日々が始まる予感がする。
posted by 灯台守 at 21:51| Comment(0) |

2007年11月05日

玻璃の天

玻璃の天 北村 薫・文藝春秋

ご存じ、覆面ミステリ作家、北村薫氏のミステリ。
内容はミステリにくくれない、深い内容を読者に語りかける。

本作は、「街の灯」に続くベッキーこと別宮さんとお嬢様のお話第二作。
第二次世界大戦前夜のきなくさい世相の中、淡々とした口調で語られる
北村薫の世界。文章の向こうにセピア色の画像が見え隠れするのは
気のせいだろうか?

時代という波に翻弄される人々の哀しみが透けて見えるような話の
中に、古き良き時代、生きることを全うしようとしていた人たちの
息使いが聞こえてくる。単に謎解きではない、ミステリの域を超えた
物語を聞かせてくれる北村薫からは、目が離せない。
posted by 灯台守 at 23:33| Comment(0) | ミステリ

2007年11月04日

まんまこと

まんまこと 畠中 恵 (文藝春秋)

ご存じ しゃばけの畠中さんの、時代物。ちょっぴりミステリ、謎解きがらみに
物語は進んでいく、お得意のお話だと思う。

主人公、麻之助は町庄屋の息子。16才までは、すばらしく、その後宗旨替えを
してずぼらな暮らしになったという代わりだね。実は、その原因が見え隠れ
しながら、短い話が絡まっていくという趣向である。

ミステリ本読みな方なら、あっという間にネタはわかるのだが、そこは畠中さん
うまく盛り上げていく。途中でてくる先の短い想い人を持った許婚の娘さんを
だすなどは、さすがにうまくて、話の行く先をうまく煙に巻いてくれる。

単なるハッピーエンドの話ではなく、人生の苦い部分をかみしめて、でも
その苦さの味を知った大人だけにわかるような旨み。そんな最終話が
胸にしみるのである。
posted by 灯台守 at 20:37| Comment(0) | 時代物

2007年11月03日

しゃべれども しゃべれども

しゃべれども しゃべれども 原作・佐藤多佳子、マンガ・勝田 文

ご存じ、佐藤多佳子さんの原作のマンガ化である。よく、この難事業を
引き受けたものだ、と思った。しかし、良い意味で裏切られた。

まあ、内容の方は、原作をかなり忠実にマンガ化することに成功している。
なによりの成功は、ヒロインの十河のイメージが、ほんと「そのまま」なのだ
一方、三つ葉の方は、今ひとつニヤケ過ぎな感じ。

しかし、あの佐藤多佳子さんの文体を、マンガにして、そのままぐいぐい
引っ張って行くことに成功しただけでも、勝田さんの手腕はすばらしい。

#しかし、なにより良かったのは白馬師匠であった・・・
#かっこいいぞ、白馬師匠!!
posted by 灯台守 at 22:29| Comment(0) | マンガ

2007年11月02日

今日の早川さん

今日の早川さん COCO作 早川書房刊

blogから出てきた本である。そしてマンガである。その上、オタクな本である。
題名を見て、「銀背・ミステリ・SF・ファンタジー」と連想した人、
こんど一緒に飲みましょう!!

主人公・早川さんは、早川SF文庫の虜。SFをこよなく愛する女性である。
友達に、ホラー好きの帆掛さん、ライトノベル好きの富士見さん等々の
個性あふれる女性が出場?する。

たぶん普通の人にはわからないコアな会話が四コママンガで続くこの
blogを不幸(幸運?)にも知らなかった私も知る羽目になった。

好き嫌いは大きく分かれるだろうが、本好き、それも早川のあの銀背を
知っている人には、オススメである。でもって、blogも読んでもらえれば、
本代に消えていったなけなしの小遣いも浮かばれるというものである。
posted by 灯台守 at 17:49| Comment(0) | マンガ